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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第14章 "黒"
「何デカい溜め息なんぞ吐いてるんだよ…」
声の主は土方である。
「副長、今回はご迷惑お掛けしてすみません」
土方は瑠衣の前に座る
「気にすんな、相手が悪かっただけだ」
瑠衣も総司に助けて貰い、半身起こして土方を見る…
そして最後に土方の少し後ろに総司も座った。
「で、副長お話は報告ですか?」
「まぁな、詳しい話を聞きたい」
どこから話そうか…
少し思案する瑠衣。
「まず…
鏡に今まで見た事の無いような、強い光があったんです」
「強い光?」
「はい、通常の倍以上光輝いていました」
「それで?」
「不思議に思いその光を追ったんです、そうしたら物凄い強い気配が一つ…」
光を追ったのは理解出来る、自分もそんな物を見たら間違いなく追うだろう。
「普通の人の姿をして、普通に言葉を話していました、ただ違うのは瞳の色…
薄い青色だったと思います」
「人の姿で言葉を話す!?」
土方も流石に驚きの色を隠せない…
「それと強い力を使います、自分と会った"鬼"は物を浮かせて自由に動かせる力…
この無数の傷はその鬼"が浮かせた石ころなんです…」
「石ころ!?」
ただの石ころが、こんなにも傷を作れるものなのか??
「石ころを浮かせ、四方八方から物凄い速さで飛んで来たんです…
流石に全ては避けられず、この有り様です…」
信じられない…
その一言に尽きる…
だが瑠衣の傷を見ていると、現実と認めざる負えない…
土方は思案顔だ…。
「それで、避けられ無いのなら、飛び込むまで…
そう思い‥正面から飛び込んだんです…」
「・・・・・・・」
呆れて何も言えない…
だが、死角無しなら正面突破しか道は無いのも確か…
「それに"鬼"の心の臓は四つありました」
「「四つ!?」」
土方と総司は思わず声を上げてしまう。
「出会い頭の不意打ちで二つ、正面から突っ込んで二つといった所です、お掛けで肩に"鬼"の爪の一撃を食らいましたが…」
流石に今は力の事は言えない、最後の一撃の事はあえて避けた…。
「「・・・・・・・・」」
二人とも呆然としている。
「それと"鬼"の水晶ですが、自分は色付きは初めて見ました」
「あ…あぁ…
あの青いやつか…」
「はい…」
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