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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"


この時点で平隊士なぞ全く相手にもならない程の、立ち合いを繰り広げている。


「なかなか決まりませんねぇ」

真剣に立ち合いに見入っていた間に、突然後ろから総司が声を掛けて来た…

「うわっ…!
総司、気配消して近づかないでよ…」

「えー
私は普通ですよぉ」

元来総司はこういう奴だと藤堂は思い直す…


「なかなか決まらないね」

「…橘さん、斎藤さんに合わせて手加減してますからねぇ」


 「「えっ??」」


山南も藤堂も総司の言葉を聞き直す…

「十分手加減してますよ?
でなければとっくの昔に終わってます」

「嘘でしょう?」

藤堂が信じられない顔をしている。

「嘘言ってどうするのですか?」

「そ…
そりゃそうだけど…」

斎藤だって組一・二を争う剣豪だ、幾ら利き腕では無いといってもそう簡単に負ける筈が無い…

その間も二人の攻防は続いている。


「つまり橘さんは相手に合わせると言う事ですか?」

此処でやっと思案していた山南が口を開いた‥

「さぁ…
状況次第だと思いますよ…」

状況次第…

ならば勝ちたい状況なら勝つと言う事…
山南はもう一度瑠衣を見直す…


「私としても、もう少し試合を見てたいのですけど、土方さんが呼んでいるので…」

総司はそう言うと、二人の間を抜け道場内で大声を張り上げた!


「橘さんー!!
土方さんが呼んでますよー!!」

いきなりの大声に驚く平隊士達…


「・・・・・」

瑠衣は総司の声を聞いた後、素早く斎藤に詰め寄った!

「……!!」

首に一撃と見えた斎藤は咄嗟に防御する…
が‥実際は斉藤の脇腹に瑠衣の竹刀が付いていた……


「一本ですね…」

「・・・・あぁ・・」

竹刀を下ろし、距離を取り一礼する瑠衣

「ありがとうございました」

そう言うと総司と二人で道場を出て行く…。


(今のは一体??)


確かに竹刀は首に向かっていた筈…
だが気づかぬ内に脇腹に移動していた…。


(動きが見えなかった…)


斎藤は己の竹刀を握り締め、先程の瑠衣の動きをずっと考えていた・・・
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