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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"


「つまり三馬鹿は表の方が向いている、そう言いてぇんだな?」

「副長、自分三馬鹿とは言ってませんよ……」

「まぁ気にするな本当の事だしな…
橘お前がそう見るなら斎藤を回そう」

「はい…
しかし自分なんかの意見で良いんですか?」

「俺も同意見だからな…」

土方はニヤリと瑠衣を見る…


(相変わらずだなぁー)


本日二度目の同じ考え…

「では何時から?」

「早い方が良いが斎藤の方の準備もある、二~三日後からの予定だ、それと暫くは三人一緒に行動だ…」

自分の一件が原因か…
瑠衣は此処は大人しく従う事にした…

「頼むぞ…」

「心得ました」

その間総司はずっと頭を押さえいたが…これは完全無視すると決めた。




土方との会話の後、瑠衣は縁側で一休みしていた。


(鬼の力を"鬼"に利用するか…)


当代様も考えたものである…
確かにあの水晶からは、今までとは違う力を感じた

それを加工…即ち当代様が封印の術式を入れたんだろう、そしてそれを外から装飾と称して封印の守りを強くしている。


(考えたもんだ…)


当代様の考えに関心する。


瑠衣はふと桜の木に目をやる…
あの後、何かと理由を付けては総司に力を送り続けている。

多分そろそろ瑠璃の血と労咳の病原菌は抜けただろう…
後は瑠璃との契約の呪が、何時解放されるかであるのだが…


(瑠璃を手放すのは辛いな)


なんだかんだ言って瑠璃を気に入っている瑠衣。


(命なんて契約しなければ良かった…)


だが契約は契約、片方が守れば、もう片方も守らなければならない…
嫌と言っても契約は強制的に施行される…。


(考えても変えられない…)


瑠衣はまた桜の木を見る…
そして立ち上がり、夕餉へと大広間に向かった…。





それから二日後ー


斎藤の三番隊は永倉・藤堂が掛け持ちする事で話は決まった…
因みに一番隊も永倉達が掛け持ちしている。

土方は斎藤に水晶を渡し、"鬼"の捜索へと回した。




夜ー


久しぶりの夜の巡察である……

土方からのキツい命令で単独行動は当面禁止…
斎藤を新しく入れ、三人一組の行動になる。

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