この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"
「さぁて行きますかぁー」
相変わらず緊張感の無い総司と何も思っていない瑠衣、そして心持ち緊張気味の斉藤…
着流し姿の三人組…
とりあえず普通に見える姿にしている。
"鬼"のせいで夜に歩く人など殆ど居ないのだが…
「沖田先生、今日はどの順路で??」
「んー
決めてませんでしたねぇー
一応大通りまで出て、後は鏡の反応次第ですね」
「はぁーーっ…」
「・・・・・」
少々呆れている瑠衣と斎藤…
これでしっかり成果が出ているのだから不思議である。
大通りまで出て鏡の反応を見る。
「今日は随分一ヶ所に集まってませんか?」
不思議に思う瑠衣に‥
「そうですね…
此処まで集まってるのは初めてですね…」
やっぱり緊張感の無い総司‥
「そうなのか?」
斎藤に至っては初体験である。
今までは多くとも二~三匹が精々な筈なのだが・・・
「先生、鏡の反応が正しければ十匹以上は居ますよ」
「一網打尽で良いだろう」
「「んー…」」
何となく不安がよぎる総司と瑠衣‥
「兎に角行くしかありませんね…」
「はい…」
「あぁ…」
三人は鏡を頼りに"鬼"の密集地に向かって行った……
暫く歩くと"鬼"の声が聞こえて来た…
「居ますね…」
「斎藤さん、見えますか?」
斎藤は"鬼"に意識を集中する…
すると体のあちこち違う場所に、黒い澱みが見える…
「あぁ…
あの黒いやつだろう…」
そうだと総司は頷く‥
「では三方に分かれますか…
橘さんは正面、私達は左右から行きます」
「分かりました…」
「あぁ…」
これは瑠衣の力量を見る絶好の機会だと斎藤は思う。
「では斎藤さん…」
「分かっている…」
総司と斎藤は左右に分かれ"鬼"を囲むように回り込む…
気配でそれを確認する瑠衣、配置が終わったと同時に朱桜刀を抜き走り出した!!
「はぁぁぁーっ!!」
出会い頭に鬼"の心の蔵を三つ斬り捨てる…
『ギャャャ…!!』
その後に続き総司と斎藤も、一匹づつ"鬼"を仕留めた…
三人共そのまま動きを止めず、次々"鬼"を斬り倒してゆく…
『ググ…ギャャャ…!!』
・