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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"
次々灰となり水晶となる"鬼"達
残り僅か…
斎藤が少し離れた"鬼"を一刀にする…
瑠衣も"神足"を使い"鬼"を仕留めて行く…
「…!!」
斎藤は瑠衣の速さに目を見開く…
速過ぎて見えないのだ。
一方総司はそんな事を気にする事無く、最後の"鬼"を仕留めた。
『ギャャャー!!』
"鬼"は全て灰なり水晶となる…
「ふぅ…
やはり少し体が鈍ってますね…」
「十分ではないのですか?」
「んー‥
まだ少し違和感があるんですよ…」
「違和感ですか?」
そんな会話をしながら、何時もの如く水晶を拾う総司と瑠衣…
(何時もこんな事をしていたのか……)
同じく近くの水晶を拾いながら、裏の実状を少しだけ垣間見た気がした。
「・・・・・!!」
急に瑠衣は屋根の上に気配を感じる"鬼"ではない人だ…!!
「誰だっ!?」
抜き身の朱桜刀を片手に一気に屋根の上に飛ぶ!!
「「橘(さん)!!」」
総司と斎藤は気配に気づけ無かった…!!
その間にも瑠衣は相手に近寄る…
「ククク…
オレを見つけるなんてなぁー!!」
屋根の裏から忍が一人…
その両手には不思議な武器が握り締められている。
「貴様があの"鬼"を倒したのか??」
「何の事だ??」
忍は両手に持っていた武器を瑠衣に向けて投げ付けた!!
「くっ…」
丸い大きな輪で、外側は全て刃で出来ている武器…
一つを刀で弾き、もう一つは体を捻って避ける。
(…確か…
円月輪とかいう武器だったか…
厄介だな…)
避けた円月輪が反転し、もう一度瑠衣の体へと向かって来る…
「ちっ…」
それをも避け、瑠衣は体勢を立て直す…
その間に円月輪は忍の元に戻っている…
今度は瑠衣が仕掛ける!
"神足"を使い一気に間合いを詰める!!
「!!!!」
『キ――ン…』
瑠衣の一撃をかろうじて円月輪で受け止める忍…
(この速さで受け止めた!?)
瑠衣も流石に驚く…
「ククク…
楽しい楽しい…
オレと同格な奴は久しぶりだ…」
「ほざけっ!!」
「だが今日は貴様と対峙しに来た訳では無い
・・・此処までだ…」
忍は懐から閃光玉を出し、瑠衣に向かって投げた!
「!!!」
地に玉が落ちた瞬間、その強烈な光に目が眩む…
その間に忍の気配が去って行くのが分かる・・・
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