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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"
「やだなぁ斎藤さん、お互い様ですよ」
にっこり笑う瑠衣…
その笑顔に斎藤も微かに笑った。
後ろには大量血の海と死体を残して…。
暫くして瑠衣もようやく歩けるようになり、河辺を後にしようとする。
「派手にやったなぁー」
其処にひょっこりと山崎が現れた。
「山崎さん?
どうして此処に?」
総司の疑問は最もである
「んぁ?
長州方を追っかけてたら、あんさん達に出くわしたんや」
呑気そうな顔をして、山崎は事も無げに話す
「此奴等を追い掛けいたのか?」
「追いかけて居たのは逃がした奴や…」
「何物なんですか?」
「・・・
高杉晋作……」
「「!!!!!」」
高杉晋作と言えば長州の大物である。
「あれが…」
「高杉晋作だったのですね…」
「…」
「惜しかったなぁ、もう少しで捕まえられたかも知れなかったで?」
「…無理だったろう……」
斎藤は悔しそうに呟く
「せやなぁ…
まさか銃なんぞ持ち歩いてるとは…」
「…」
高杉の拳銃は坂本龍馬に渡る筈、なのに高杉は拳銃を所持していた…
まだ坂本に渡って無いのか、それとも別のものか…
「兎に角死体の始末は任せてや、あんさん達は巡察に戻った方が良いで…」
「えぇ、お願いします」
山崎を残し三人は巡察に戻る事に……
「ほんま派手にやらかして、後始末が大変やわ…」
どっから手を付けようか、本気で悩む山崎だった・・・
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