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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"


人間‥良い事もあれば悪い事もある…

非番を(総司のあの行為は確信犯‥未遂だったが…)挟み今日も夜の巡察に向かう総司・斎藤・瑠衣。

(今日は何故か嫌な予感がする…)


今日の瑠衣は、心持ち云われぬ不安が付き纏とっていた…。



何時もの通り大通りに出て、近くの"鬼"から退治して行く。


(気のせいか…??)


気のせいならばそれで良し、そんな事を思い出した矢先…

「橘さん!!」

総司が慌て鏡を見ている

「どうしました沖田先生!?」

瑠衣と斎藤も不思議に思い鏡を見た。


 「「!!!!!!!」」

そこには見た事が無い強い光の反応が一つ、いや瑠衣は一度見ている上級の光だ。

「…上級…」

流石の瑠衣も顔が青くなる、不安は的中したという訳だ

「兎に角行きましょう」

「あぁ…」

「…はい…」

三人は強い光に向かい走り出した・・・




光に向かうにつれて、物凄い殺気が漂って来る。

「沖田先生、斎藤さん」

不意に瑠衣が二人に声を掛けた。

「何ですか?」

「…?」

ここで話さない訳にはいかない、瑠衣が意を決したかのように声を出す

「この先、何があるか分かりません…
多分"鬼"の力も前に遭った奴と違うと思います、もし無理と判断したら後退も考えて下さい…
それと、自分に何があってもかまわないと約束して下さい!!」

要するに瑠衣にもしもの事があっても、一切構うなと言っている。

「そんな!!」

「出来る訳がなかろう」

瑠衣は少し考える…

「・・・・・・・
では、自分が何かし始めたら絶対に近寄らないで下さい…
はっきり言って足手まといになります…」


「「・・・・・・・」」

「良いですね、自分もギリギリですから、お二人を構う余裕は無い…
そう思って下さい」

「…分かりました…」

「了承した…」

渋々ながらも、瑠衣の言葉を承諾する総司と斎藤…

「着きますよ…」

上級の"鬼"が待つ京の路地裏に、三人は入って行った・・・



((だれじゃぁ…))


"鬼"は三人の気配を感じ此方を振り向く…
赤黒い女物の着物、緑色した髪、そして同じく緑色した瞳…
全てが低級とは違う…
総司と斎藤は目を見開いている…。

瑠衣は二人の前立ち朱桜刀を引き抜く…
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