この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"
((ほぅ…我と対峙しようとな?))
クックッと笑う上級の"鬼"
「悪いけど、お前の話に付き合うつもりはない…」
(心の蔵は…三つ…
左肩の付け根、首の真ん中、右足の付け根の少し下…)
瑠衣は冷静に"鬼"の心の蔵の位置を確かめる…
(まだ向こうも冷静だ…
問題は一撃入れてからだな…)
そう思いながら飛び出した!
『キーーン!!』
瑠衣の一撃は"鬼"の爪によって止められる…
そこに総司と斎藤が、追い討ちとばかりに切り掛かる!!
『キーーンキーーン』
どちらの刃も"鬼"の爪に簡単に止められてしまう。
「くそっ…」
「ちっ…」
総司と斎藤は飛び去り一体間合いを取ったが、だが瑠衣はその場に残り、更に"鬼"向かって"神撃"を叩き込むっ!!
素早い連撃…
"鬼"の体に何カ所かの太刀を入れられた…
(急所は外したか…)
瑠衣も一度間合いを取る‥
((おのれぇー
人間風情がぁぁ!!))
"鬼"の表情が急激変わる、怒りの現れだ
(本気になったか…)
瑠衣は懐から結界符を出し"鬼"に投げ付けたっ!!
八陣結界…
腹は立つが、頭上にある結界とある種同質の物である、勿論威力は限り無く低いが…
符が広がり結界となし"鬼"を縛る、その隙に瑠衣は"鬼"の足の付け根の少し下、心の蔵を正確に捉え突き刺した!!
((ククク…
人間風情がやりおるわ…))
結界を簡単に壊し、"鬼"の瞳が光る!!
「!!!!!」
そこら辺りに生えている草が太く長くなり、三人を襲う!!
瑠衣は先読みし、朱桜刀で簡単に切り捨てる、だが…
『バシッ!!…ドカッ!!』
「ぐはっ!!」
「斎藤さん!!」
斎藤は草の束をまともに受け吹っ飛ばされた!
壁に激突して、そのまま崩れ落ちる……
どうやら意識が無いようだ…。
総司の方はかろうじて避けてはいるが…
「こんな力があるなんて…」
総司も信じられない物でも見るように、動き回っている草の束を呆然と見ている。
「気をつけて下さい!!
どこから来るか分かりません…」
「えぇ…」
総司も慎重に"鬼"と草の束の距離を確認している……
・