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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"


草の束は肉に食い込み、骨を折る…
そのボキッという鈍い音が、辺り一面に不自然に響き渡る

「そろそろ良いかのう…」

朱雀は朱桜刀を真横にして持ち目を瞑り、真言を唱え始めた…

「"我の血よ我が力となれ…炎の印よ出でよ…我に刃向かう者にその印より出でし炎の龍よその身を喰らい尽くせ"」

朱桜刀から炎が舞い上がり、一本の炎の束‥炎龍となり緑糸に襲い掛かった!


((ギギギ…ギャーー!!))


炎は体中に絡み、己の草の束と一緒に燃え尽きる…
そして其処には緑色した水晶か一つ落ちていた・・・



「・・・・・・・・・」

朱雀の髪の色が瑠衣の茶黒色に戻っていく…


「…た…橘さん…」

「…すみませんが此方を見ないで貰えますか…」

朱雀=瑠衣は、決して総司の方には振り返らない…
その瞳はまだ赤色である。


瑠衣は二つの水晶を拾い上げた…
その内の一つ、瑠璃の黄色い水晶をじっと見つめている。


(瑠璃…)


決して楽しい会話をした訳ではない…
殆ど自分が質問してばかりだった…
だが、それを不快に思った事は無かったし"鬼"という認識も何処か薄れていた。

瑠璃の為に姿を変えたこの橘瑠衣という人間に、自分自身‥何時の間にか自分本人という感情が芽生えていた…

今更瑠衣と朱雀、別々には考えられない程に…


「・・・・・馬鹿…」

誰に言う訳でも無く瑠衣はそう一言呟いた。



暫く瑠璃の水晶を見ていた瑠衣だったが、突然その場に座り込む

…力の使い過ぎである。

普段あれだけ抑えいたのに、瑠璃の一件で我を忘れて完全に解放してしまった

その反動は大きい…


(暫し眠るのも仕方がないか…)


自業自得である、仕方がない…そう瑠衣は諦めかけた時…


「やり過ぎと言う言葉を知らんのか?」

誰かが倒れそうになる、瑠衣を受け止めた…
総司はその予想外の人物に目を丸くする…


「…」

「困ったものだ…」

朱雀様(当代様)である。

「そなたの怒りの気が我の所まで来ておったわ…」

呆れ半分の声だが、その赤き瞳と動作は優しい・・・
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