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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"


当代様は懐から赤く丸い玉を取り出す…

先程瑠衣が使用した結界石に似ているが、遥かに大きく柔らかい物に見える。

当代様はその玉をプツンと割った…

すると液体が光を放って丸い形を維持していた筈が、流動体のように自由に変化してゆく

「気休めに作ったつもりだったが、本当に使う事になろうとはな」

その液体は瑠衣の体に次々と流れ入っていくように見え、液体は瑠衣の体に吸い込まれるように入り光が消えた・・・



「・・・・・・・」

総司は一連の二人のやり取りを、ただ何も出来なく見守っているしかない。

暫くすると瑠衣の目が開く、だがその目は当代様の手によって塞がれた。

「暫くそのままで居ろ」

「…当代様??」

瑠衣の瞳はまだ赤色、力が不安定な証拠

「少し落ち着くまで待てと言うておる…」

「……申し訳ありません…」

すまなそうに瑠衣は素直に従う‥
否は全面的に自分にあるので、何も言える事がない。


「お前も怪我をしておるな?」

当代様は総司に向かって言う

「私は掠り傷ですので…」

「序でだ…来い」

当代様の言葉に逆らえなく、総司は二人の側へと歩いて行く。


「確かに掠り傷程度だな…」

そう言い、総司の傷口に手を翳す…
手の先に現れた赤く淡い光が、総司の傷口をドンドンと塞いでいく…

「!!!」

その簡単に傷を治してしまう力に、総司は本気で驚く!!

「もう良いぞ」

「ありがとう御座います」

傷口が完全に塞がって、痛みすらも無くなっている…

「この程度ならな…
大きな怪我は我では治せぬ、せいぜい傷口を塞ぐ程度だ」

傷口を塞ぐだけで、どれだけの人が助かるのだろう…
そう漠然と思う総司。

「今回は特別だ…次は無い、よいな」

「…はい」

総司の意図を読んだのか、当代様は先にくぎを差した…



「そろそろ良かろう」

そう言い瑠衣の目に置いている手を離す。

瑠衣はゆっくり目を開ける…
その瞳は何時もの茶黒に戻っていた。


「水晶は我が預かる、良いな?」

「…はい」

瑠衣は手に握っていた水晶を当代様に渡した。


「ふむ…
緑と黄か…
力と色に関係するのか…??」

「"鬼"の瞳の色と同じです」

「瞳の色…」

力と瞳の色は関係があるのか?
今はそれすらも分からない。
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