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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第16章 "真"


思案顔の総司を見、悲しい色をたたえながら話を続ける…


「先生と接触するには新撰組に入らなければならない…
そこで自分は朱雀様にお願いをし、朱雀様と会津公の紹介状を手配して貰ったんです」

全て真実、嘘は無い…
もう総司相手に隠し事はしたく無い…
例えそれで総司の信用を失う事になっても…
だから瑠衣は全てを語る。


「橘さんは朱雀様と懇意だったのでは?」

総司の意見は至極当然、そういう触れ込みで組に入隊したのだから、そう思われて当たり前ある。

それに当代様は瑠衣の為にかなり動いている、普通は有り得ない。


「朱雀様に直接お会いしたのは今回が初めてです…
ただお互い知っている者同士話が早かったまで…」

「知っている??」

「はい、朱雀様は自分を、自分は朱雀様を知っていました」

当たり前である、同じ存在同じ朱雀なのだから…

「後は先生がご存知の部分と重なります…
組に入隊し、一番隊に配属になり先生と同室…
ただ一つ‥毎日先生に自分の力を送って、少しずつ血と病の回復を図っていた事…
力を送るには相手に触れるのが一番効率が良い、だから口付け…
先生は夢と思っていたようですが…」

総司が瑠衣の口付けに薄々気づいたのは嵐山の一件の少し前くらいから…
では瑠衣の話からすると、入隊直後から自分は口付けされてた?


「気付づけ無いのは無理もありません、力の他に眠りの術式を使ってましたから…
ただ…
眠りの術式は使い続けると、段々効かなくなっていくのが特徴です、それで気付かれたのでしょう」

そう言われれば納得出来る、何故夢だと思っていたのかを……

「先程も言いましたように、瑠璃の目的は先生の中に入った血と病を消す事…
力を送り続け今は完全に消えています、即ち契約が成立した事になります…
だから…
契約が成立すれば契約内容が強制的でも施行される…
だから瑠璃はただ消えるより、役にたちながら消える事を選んだ…」

「・・・・・・・・」

それがあの悲劇を生んだ…
瑠璃にとっては本望かも知れないが、瑠衣にとっては辛い後悔が付き纏う…


「それが契約の全てです」

「…では…
組に入隊したのは私の為…」

「そういう事になります」

では自分一人の為に入隊し"鬼"を倒し大怪我まで負って…
何もかもが自分の枠から外れた大きな事に、総司は二の句が継げない・・・
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