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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第16章 "真"


「・・・・・
では契約が成立したのならば橘さんはもう自由‥ですよね、自分の居場所に戻るのですか?」

瑠衣は瑠璃に引っ張られ、京に来たと言った…
なら、全てが終わったのなら、瑠衣は帰る場所がある筈…

「…戻れないんです…」

「戻れない??」

瑠衣は立ち上がり総司の目の前に立ち、そっとその肩に触れる。


「上を見て下さい…」

洞窟の上部は開けていて空が見える筈…
そう思いながら総司は上を見上げたが……

「!!!!!」

空には紫色をした線が張り巡らされている…
何処か嫌悪感を感じる嫌な物だ…


「この結界陣が道を塞いでいます、だから自分は戻れない…
この結界陣が解けるまで、自分は何処にも行けないんです」

「道??」

「はい、自分が通って来た道です」

曖昧な答えをする瑠衣、時空と答えても総司には‥いや、この時代の人間では分からないだろう


「……
橘さんは何処に帰るのですか?」

「・・・・・・・」

一番言いたくない核心部分に近づく…


「先生…
先程の自分を見て…どう思いましたか?」

先程……
あの気配が変わった後の事を言っているのだろう。

「…正直驚きました…」

「それだけですか?」

「それだけとは?」

「恐れ…恐怖…畏怖…
あの状態の自分を他の人は皆そう感じます…」

瑠衣は俯いていて、下ろしている髪が邪魔して顔が見えないので、どんな表情をしているのか分からない。

「ん…
あまりそういうのは感じ無かったですね…
ただ純粋に驚き…
それが一番合っていると思います」

「・・・・・・・」

瑠衣は唇を噛み締めながら、総司から手を放し数歩後ずさった。

「では、これを見て同じ事が言えますか?」

瑠衣は決断する、己の本当の姿を見せようと…
その結果が前に華因に話したような事になっても、もうこれ以上総司を騙すのは嫌、離れる事になっても後悔は‥多分無い…

瑠衣の体が淡い光に包まれ、その姿が変わってゆく…

髪は銀色で腰より長くなり、服は見た事が無いような白に薄紅を載せた変わった形の物に、朱桜刀は金色に光輝き…

そして…
最後に開いた瞳の色は透き通った深紅・・・
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