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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第4章 "探"
「総司…」
「分かっています……一人ですね…」
さっきまで笑ってたのが嘘のように、その目は獲物を見つけたように細く光り輝く
平隊士達には待つように伝え、総司と斎藤は路地裏に入って行った・・・
京の街の路地裏はかなり入り組んでいる‥
江戸生まれの総司も斎藤も未だに全てを把握している訳ではない。
二人は気配を頼りに狭く入り組んだ路地裏を進んで行く…
暫く歩いた先、少し開けた行き止まりのような場所に出た。
…そこには白い着物を着た女子が一人立っている
「夜中の女子の一人歩きは物騒ですよ、あなたはどこから此処に迷いこんだのですか?」
総司は後ろを向く女子に話しかける…が…
((・・・・・クスクス・・・迷いこんだのはあなた達の方))
「「・・・!!」」
そう言い切った女子の気配が変わる!!
総司と斎藤は無意識に刀に手を掛けた。
"危険"
二人の体に襲いかかる気持ちの悪い殺気…
咄嗟に二人は互いの間合いを開け、刀を抜き放つ!!
((ふふっ、どちらも美味しそう…だから…あなた達‥頂戴?))
女が振り返る…
一見美女に見えるその女の瞳は黄色く、獣のように光り、獲物を見定めている目だ。
「"鬼"か…」
斎藤の一言に全身の毛が総毛立つ…
女は総司の方を見‥
((まずあなたから…))
そう言い終わると同時に、総司に向かって跳躍した!!
「っ!!!!」
総司は女の落下地点を予測し、刀を振るった!
『キィーン』
「・・・・・まさか!!」
総司も驚きを隠せない‥
((クスクス、こんなもの??))
女とは思えない力で、総司の刃を受け止め押し返す
女に見えてもやはり"鬼"、常識が通用する訳が無い。
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