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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第17章 "試"
井上としては、偶に夜に居るのだからと渡してくれたみたいだが…(後で瑠衣が聞き出した)
「ですが…
偶には総司とこういうのも…良いですね」
「瑠衣…」
瑠衣は一気に酒を煽る、そして総司に湯のみを翳して‥
「おかわり!!」
の一言…
総司は慌て酒を注ぐ…
「そういえば土方さんと島原以来ですよね、瑠衣と酒を呑むのは…」
「あー
あれですか…」
「月詠さん元気ですか?」
総司も自分の湯のみに酒を注ぎ足す。
「…
あれは殺したって死にはしませんよ………」
「おや?
何か裏がありそうですねぇ」
最近は総司にだけは、かなりの部分の本当の事を話ている…
「月詠は…
なんて言って良いんでしょう…運命共同体とでも言うんですか…
自分と月詠は体を共有しています…
というより、あっちが勝手に契約して人の体にいるんですけど…」
驚き顔の総司…
「自分と契約したお陰で、しっかり肉体なんか持っちゃって…
月詠は本来火の神の一神です…
ただ自分と違って肉体は無く、精神だけの存在だったんですけどね…
普段は自分の体の中で眠って居ますが必要なら、あの様に自由に動ける訳です」
一気にに話をして瑠衣はまた酒を煽る。
「では、何故島原に?」
「それは…」
話難いのか瑠衣は眉をひそめた…
「瑠衣」
「はぁ…
力の補給です…」
「力の補給?」
「えぇ…
力ある男共から少しだけ頂いてます…
今の自分では大地からは補給出来ないので…
ついでに自分がやる訳はいかないでしょう…」
間違っても総司にやったとは言えない…
それくらいの倫理は持ち合わせているつもりだ。
「えっ…
あ……
つまりそういう行為を……」
「えぇ…
それが今の力の補給になっています…
まぁ…月詠は楽しそうですが…」
「た…
楽しそう…ですか…」
「はぁ…
自分と違って、月詠はかなり楽天的ですからね…」
瑠衣は更に湯のみの酒を一気に飲み干す。
「…楽天的……」
「元来昔から神様は気まぐれって言うじゃないですか…
あれ当たらずとも遠からずですよ…
逆に自分みたいな方が珍しいくらいです」
「なる程…」
かなり納得のいく答えだと思う、お参りに行って必ず願いが叶う訳でも無し…
確かに気まぐれである。
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