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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第17章 "試"



(約束までまだ時間があるな‥)

刀だけを持ち部屋を後にする。


源さんに昼餉を頼んでおいた手前、食べない訳にもいかず、炊事場で手早く昼餉を食べ、夕方の巡察には戻ると言い残し屯所を出た…。


そして街に行くと見せかけて、そのまま屯所の裏手に回る…

「・・・・・・・・」

壁に背を付き、じっと待つ瑠衣…
すると直ぐに焔が何処からとも無く現れた。



「お待たせして仕舞いましたか?」

焔は礼の姿勢を取り、瑠衣に話掛ける。

「いや、自分も今来た所…
それと恭順の姿勢は止めて欲しい…」

要するに膝を付き頭を垂れている訳で…

「しかし、主上からキツく言われております故」

「はぁー…
誰が見るか分からない、一応立場上そなたの方が上という事になっている…
土方なぞに見られたら説明が面倒だ…」

有り得ないが、万が一という事もある(既に遅しだが……)…
暫し考え、焔は仕方無く立ち上がった。


「それで要件は?」

「はい、主上から橘様にこれをお渡しするようにと」

焔の手の平には黄色い水晶があった‥
だが何時もの首飾りでは無く耳飾り(ピアス)に加工されている、装飾も全く違う…

躊躇いながらも、瑠衣は焔からその水晶を受け取る。


「何故自分に?」

「その方が良い…
主上のお言葉です」

「・・・・・・・」

瑠璃の水晶…
自分が持っていろという事か…

「分かった、確かに受け取ったと伝えて欲しい」

「心得ました」

「所で…
話は変わるが、この間の忍に関して何か掴めたか?」

それには焔は複雑そうな顔をする…。

「それが…
一向に…この間の死体を確認させて頂きましたが、円月輪以外に所持していた物は一般に出回っている忍道具と同じでした」

「そうか…
円月輪について当代様はなんと?」

「武器に関してはご存知でした、ですが出地その他は分からぬと…
そう申しております」

当代様でも知らなのいか…
余程特殊な一族なんだろう…
そちらの線から探しても無駄という事か?


「兎に角、引き続き調べて欲しい」

「分かりました、では私はこれにて…」

焔は現れた時と同じく忽然と消えた…
短距離転移した為である。


「結局何も分からず仕舞いか…」

溜め息を吐きながら、瑠衣は屯所の正門へと歩き出した・・・
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