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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第17章 "試"
変わって総司達の夜番が回って来る・・・
着流し姿で街を歩く二人‥
瑠衣は鏡を見ながら歩いている。
「今日は意外に少ないですね」
鏡には五つの光がある、その内一つは鏡の端の方なので、追う事は無いだろう。
「本当ですね…
斎藤さん達の時はもう少しありましたね?」
「まだ時も早いですし、これからかも知れません」
「そうですね」
瑠衣の言葉に総司も同意する…総司も鏡を取り出し…
「では近くから行きますか?」
「うーん…
今日の通常の巡察の順路に引っ掛かってるのは無いですか?」
総司はもう一度鏡を見るて距離と経路を確認…
近頃は鏡と京の街の位置を照らし合わせられるようになった。
「今の所は無さそうですね」
「では近くから行きましょう」
「えぇ」
二人は"鬼"に向かって歩き出した・・・
半刻も過ぎ頃には、近くの"鬼"はもう居なくなっている。
「場所を移動しますか総司?」
「そうですね…」
不思議な法則で、一度"鬼"が出現した近くには一刻(約2時間)殆次の"鬼"は現れない
これは最近気付いた事…
それに従い二人は次の場所に移動するのである。
「少し北の方角に行って見ましょうか?」
「分かりました」
二人は北を目指して歩き出す…
四半刻も歩けば次の場所に辿り着く。
「さて…」
瑠衣はまた鏡を取り出して見る…
「此処も数匹です、夜巡察は終わった時間ですから、気兼ねなく行きましょう…」
「また近くからですね?」
「えぇ」
鏡に従い"鬼"を探す…
此処も四半刻くらいで方が付く…
「瑠衣これからどうします?」
「そうですね…
此だけ数が少ないと移動の無駄もありますし…」
少し考える瑠衣。
「今まで捜索した事無い場所は??」
「京の外れくらいではないのですか?」
「うーん…」
「人もあまり居ませんし、必要ないと思っていたのですがね」
移動も考えると外れまで行くのは無駄に近い…
「そうですね、では今度は東側に行きますか?」
「そうしましょう」
また歩き出す…
夜は歩き、捜索、退治、歩きの繰り返しである。
「やはり少ないですねぇ」
西に南と場所を移動して行く総司と瑠衣…
しかしどの場所に行っても"鬼"の反応は少ない。
「…何故急に……」
あの緑の上級…
緑糸の一件以来数が激減している。