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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第18章 "陣"


「瑠衣、高みの見物ですか?」

「総司一人で十分だと思ったので…
体温まりましたでしょう?」

瑠衣はいつの間にか、屋根の上で総司達のやり取りを見物していた。


「体は温まりましたが…
次不逞浪士が現れたら瑠衣の番ですよ??」

「分かってます」

瑠衣は屋根の上から飛び降りる。

「さて…
次行きましょうか」

「はい」

二人は斬り捨てた浪士をそのままに次に向けて歩き出す(勿論後で監察方が後始末をするのだが…)

鏡を見ながら目的地まで渋々歩く、今日はそれなりに距離が微妙に離れてる。


「…はぁー
またですか…」

「次は瑠衣の番ですよ」

「分かっています」

出くわしたのは、またもや不逞浪士…
多分先程の待ち合わせの相手達だろう。

「何処へ行く?」

瑠衣は浪士達の前立ち塞がる。

「なんだ貴様…」

「新撰組…」

お決まりのように、浪士達は刀を抜く。

「はぁー
やっぱり…」

瑠衣は浪士達に飛び込んで行った・・・



数分後…

「総司、終わりましたよ」

「えぇ、相変わらず見事な斬り口ですねぇ」

屍の浪士を見ながら総司は呟く。

「人を殺すのに、綺麗も汚いも無いです…
殺るか殺られるかだけですから」

「その通りなのですけどね…」

「次は多分"鬼"ですよ」

「はい、では行きましょうか…」

今度こそ"鬼"に向かって歩き出す二人…
最近こんな事がずっと続いている…

やはり今日も"鬼"の数より、不逞浪士の数の方が多く終わった・・・・・





自室に戻り布団に潜りながら瑠衣は考える。


何故数が減った??

それに不自然なのは、何故不逞浪士共は"鬼"に出くわさない?

深夜徘徊している不逞浪士が"鬼"に喰われたという数は、現在徘徊している数に対して限りなく少ない…

やはり誰かが裏で糸を引いている…
それも討幕派の可能性が大きい…

だが"鬼"はある程度は勝手に動く…
上級ならいざ知らず、低級共に敵味方の区別なぞ分からない。

では??
グルグルと頭の中で色々な可能性が巡り回る・・・・・
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