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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第18章 "陣"
"誰かが"鬼"を集めている"
それが一番答えに近い感じがするのだが…
では何の目的で??
そこに答えは出ない。
総司が相変わらず瑠衣の布団に潜って来る…
「そんな顔して何を考えていたのです?」
「・・・何も…」
まだ確定的な事は何も無い、それを総司に言っても混乱を招くだけ…
「…そうですか…」
総司は瑠衣を抱き締めて寝る体制に入っている。
「うーん・・」
瑠衣も総司の胸の中では眠気に勝てない…
総司的には考え過ぎる瑠衣に対しての確信犯なのだが…
何時の間にか二人共眠ってしまった・・・
昼近く…
瑠衣は漸く目が覚めた。
(あぁ、また…)
どうしてなのか、総司に抱かれながら布団に居ると簡単に眠ってしまう。
それにもし人が来ても気づかないで眠っているらしい…
人一倍気配と物音には敏感な筈なのに、総司の側だと不思議なくらい気が緩んでしまう。
「あぁー違うー・・・」
昨日自分は何処まで考えた?
必死に昨日(と言っても明け方だが…)考えてた事を思いだそうとする。
"誰かが"鬼"を集めている…"
確か其処まで考え、総司に遮られた筈…
瑠衣は布団の上で胡座を掻き、寝ぼけだ頭を振り切って更に考える。
何故集めなければならない?
集めるなら何処に?
不逞浪士に荷担してるのか?
どうやって"鬼"を集める?
黒幕の目的は?
繋がらない線…
全てがバラバラなようでそうではない気がする。
一つ言えるのは黒幕は強力な力の持ち主で術式、陰陽道使う事。
「あれ???」
確か陰陽道で"鬼"に関する術式があったのではなかったか?
自分は習得しなかったが、確か少しはあった筈だ…
「陰陽道…」
平安の世に創られた、力を術式で増幅し扱う、よく聞く陰陽師にも繋がる術式方式の一つ…
自分も基本的に、朱雀としても人間としても陰陽道を使う。
だが今は幕末、陰陽道はもう殆ど廃れている筈である。
「八方陣結界…」
八つの方角に均等に媒体となる物を配置して、強力な方陣を作る事…
相手を縛る方陣、自分の身を守る方陣、術式の組み合わせの違いで様々な用途に使える。
八陣の他に五陣、三陣なんかもあるが、少ない程威力も弱い…
「・・・・・そうか!!」
八陣結界を作るならば、京の何処かに媒体となる物が置いている筈。