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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第18章 "陣"


ずーっと書物を調べていく…

古くは卑弥呼の時代のその前から…
何世紀にも渡る、世界中の貴重な書物が溢れている。

現代では、その存在自体すら忘れ去られ、目も向けられ無いような事柄も多々ある。

代々四神はその存在を熟知して、こうして宝物庫に収めているが、それを表に出す事は無い。

はっきり言えば、これで神様の個人趣味の域なのである…。


「やっぱり量が多いな…」

それなりに時代時代に別れてはいるが、なにせ量が半端無く多い。

あの土方の書類の山が可愛く見えて来る・・・・・・


「飛鳥…卑弥呼…北条…戦国…源…平…」

ざっくりとだが、ドンドン目的の時代の書物に近付いて来る…

「平安、此処か…」

平安時代に関する書物を見付けた、それでも山のようにあるが…
その場に座り込んで、瑠衣は一つ一つ調べていく…

平安時代は謎な関連性のあるのか無いのか分からない、少々信憑性に欠ける事柄もかなり残っている。

なにせ"鬼"や"物の怪"、祈祷すれば病も治ると信じられていた時代だ、怪しい話も数多い…

かなりな時間、書物と格闘し漸く目的の物に出会えた。


「…!!あった!!」

自分の時代で見た陰陽道に関する書物だ…
それを手に、近くにあった小さな机と椅子を拝借する。


「さて…何が出るかな??」

ゆっくりと書物を読み始めた…


「・・・・・・・・・・」

一通り読み終え、瑠衣は少し考える…


("鬼"に関しては少し…
縛する方法に封印する方法、名を取り操る方法…
どれも自分がやって出来ない事は無い事ばかり…)


低級に名はあるのか??

一カ所に集める方法は??

まだ自分が知らない書物が無いかと、もう一度探し始める…




どれだけ探しただろうか……

書物の山の隅の方に一つ、陰陽道に関する書物があった・・・

また机に向かい読み始める……


「・・・!!
これか!!」

其処には"鬼"を呼び出す方法や、おびき寄せる手段が書いてある。

「…香??」

おびき寄せるのにお香を使うと記されている…
香と言えば、平安の世は香を日常的に使っていた‥貴族の嗜みというやつだ。

「今の時代でも手に入る物か??」

香の材料の組み合わせを見ていくと…

「唐渡り…
中国やインド渡りの交流品もあるなぁー」

そんな物がこの幕末で手に入るのか??
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