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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第18章 "陣"


「どちらにするか・・・」

暫く結界を睨み付け考える…
あらゆる可能性を考え、出した瑠衣の結論は……

「やはり壊すか‥」

バレるよりも危険が付くが、此方の手の内をみすみす出す事も無い、そう考え瑠衣は破壊する方を選んだ。


慎重に結界陣に近づき、一番外側の結界の線の手前で止まる。

息を一つ吐き、外側の線を遮る様に朱桜刀を突き刺した!!


「・・・・・・・・」

この朱桜刀自体力を持つ太刀、この程度の結界を破るには十二分に効果を発揮してくれる。


『パア――――――ン!!』


そんな音が合うかの様に、結界は消えて無くなる…

「・・・!!!!!
ちっ、やはり罠が仕掛けてあったか…」

結界が消えたと同時に、物凄い殺気が辺りを包む。


((我の眠りを妨げる者…
死を持って償うが良い…))


「上級の"鬼"を配置していたか!!」

瑠衣は咄嗟に朱桜刀を手に取り、結界符を一組"鬼"に向かって投げ付ける!!

「一つ目っ!!」

符が一瞬効果を発揮した瞬間を狙い、"神足"を使い飛び上がり井戸の上に浮遊している"鬼"の右腕を斬り落とす!

井戸を飛び超し着地し、"鬼"の方に振り返る。


((おのれ…何奴…
我の心の臓が見えるのか・・・))


符は直ぐに破られ、効力を無くし霧散した。


((くくく…この程度で我がやられるとでも思うのか?))


「そんな事は思って無いな…」

今までとは違い、心の臓を一つ無くしたにもかかわらず、落ち着きを放っている上級の"鬼"
ふと"鬼"は瑠衣に向かって手を差し出す・・・


「!!!
浮遊の力かっ!!」

瑠衣の体は浮き上がり、空中で固定される。


((動けまい…
さて、どうしてくれよう・・・))


「ふんっ!!
甘く見てるのはお前の方だっ!」

己の中の力を使い、空中に固定されてるまま結界石を"鬼"に放つ瑠衣。


((!!!!!))


強力な結界、上級でも破るのに少々時間が掛かる…
その隙に固定されている力を破り、地面に降りた瞬間に"鬼"に向かって走る!

「はぁぁぁぁぁ!!」

左足首と太腿を瞬時に貫く…

「これで終わりだ!」

朱桜刀を最後に心の臓の位置に深く刺した!


((ぐぁぁぁ!!))


なすすべ無く、灰と化してゆく上級の"鬼"……
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