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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第18章 "陣"


屋根の上を着流し姿で走り飛ぶ…
深夜だからこそ出来る事、昼間ならどう見ても怪しい限りだ…


(せめて、もう一つ見付けられれば…)


そう思いながら屋根から屋根へと進んで行く…

二つ見つけられれば、点は線となり、中心がある場所の特定が出来る可能性が高くなる…
そして、黒幕が居るのは多分その中心…。

黒幕さえ倒して仕舞えば結界陣が消える筈…
そんな考えをしている中、見知った気配が一つ自分が居る位置の少し先に居るのが分かる。


(意外早い…)


屋根の上に先に佇んで居たのは焔だった…



「橘様」

「焔か…
気づくのが早いな」

焔の居る屋根の上で止まり、無表情に返事を返す瑠衣…

「結界陣が少し崩れたのに気づき、主上が橘様の様子を見に行けと仰せ仕りました」

「そうか…」

当代様なら結界陣を崩した張本人は自分だと、直ぐに気づくのは当たり前な話だろう…

それを見越して焔を此方に送った…

そんな所か…


「だったら話は早い」

瑠衣は懐から袋を出して焔に投げる…
焔はそれを上手く受け取り中身を確認する。


「水晶がこんなに…
それに上級も…」

最近では有り得なかった水晶の量と上級の水晶が一つ入っているのに、焔は些か驚きを隠せない。

「当たりだったからな…
それと、当代様に伝えて欲しい事がある」

「承ります」

「あぁ…
結界陣に使用していた術石は黒色だった…
本来黒は有り得ない筈、石からはかなり強い負の念を感じた…
多分それは………」

瑠衣は一度話を切る
あまり予想したくない答えだから‥

「それは???」

焔が続きとばかりに聞いて来る。

「多分それは…
人間の負の感情…
それも死ぬ前の…
無念・恐怖・痛み・畏れ・未練・・・・・
そんな感情だった」

「それは・・・・・」

焔も瑠衣の言わん事を理解したのだろう…
少々顔が青ざめている。

「人身御供…
人間を殺し力に変える‥外法の一つだ・・・・・」


外法…

人間共の死に際の感情を力とし、呪いや呪術を使う…
間違いなく行方不明の人間が居る筈なのだが…

だが、それは短期間で行われたものか、それとも長期か、はっきりとは分からないので、行方不明者を探すと言っても難航するだろう。
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