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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第18章 "陣"
「御所・・・・・」
公卿共なら陰陽師を重宝するだろう。
昔、御所内に陰陽師の部署があったくらいだ、今‥正式な陰陽師が現れば、かなりの確率で御所内で力を持ち自由に歩く事が出来る筈…
そこで封印を見つけ出したか?
「それと…
この外法……
常に血を必要とするらしいのです…
既に島原と祇園の下級遊女が行方不明になっている事件が多発しているようです」
「結界を維持する為??」
「多分その通りかと思われます」
遊女が行方不明‥
下級遊女辺りなら、居なくなっても、そんなに騒ぎにはならないと思う。
男というのは勝手なもので、下級遊女辺りならと、かなり手荒に扱う輩も多い…
それで命を落とす事も・・・・
そんな背景があるから、遊女の数人くらい消えても誰も気にしない…
多分其処を狙われている可能性がある。
「本当に外法だな…」
瑠衣は不機嫌そうに吐き捨てる様に言う…
「はい…
それと場所の特定ですが、可能性の高い場所を数ヶ所挙げてみました…」
焔から京周辺の地図が渡される、其処には数ヶ所に丸印が付いていた。
「今、一族の者に探らせています、情報と結果はまた後程…」
「分かった」
「では私はこれで…」
・・・屋根の上には、瑠衣が一人嫌な顔をして座っている。
総司は瑠衣の居る家の前に来て上を見上げ
「瑠衣、行きますよ」
小さく一言。
それでも瑠衣には聞こえてるので、頭を切り替えて屋根から飛び降りて来た。
「すみません、お待たせしました…
次に行きましょうか」
その瑠衣の堅い表情を見れば、決して良い話では無かったのが伺える。
「あまり無理はしないで下さいね」
「???
…分かりました」
取り留め何の事だか分からない瑠衣なのだが、先程の焔との会話を言っているのか??
だとしたら、自分は何も出来なく、ただの現状維持である。
「今度は何もしませんよ?
いや…
したくても出来ないんです」
「出来ない??」
何時も一番に飛び出す瑠衣にしては、意外な言葉である。
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