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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第19章 "縛"

後ろの平隊士数人も殺気に気付いたようだ、流石精鋭一番隊という所…
「人気の無い場所なのが救いですね…」
「もう少し街から離れますか?」
「その方が良いでしょう」
「承知」
総司達はそのまま何事も無い様に振る舞い、川縁を歩き続けた・・・
壬生村に入る手前の川縁まで誘い、其処で止まる一番隊…
「さて・・・
いい加減出て来たらどうですか?」
総司の言葉に浪士達が物陰から現れた。
「勿論、新撰組と知っての事ですね…」
浪士達は無言で次々と刀を抜く…
「黙りですか…
大人しく捕まる気は無いのですか…?」
呑気に話をしている様に見えるが、その身に全く隙は無い。
「・・・問答無用ー!!」
浪士達が一斉に襲い掛かって来る!!
『ザシュ!』
総司は抜き際に一太刀、相手の胴を斬り裂いた
それを皮きりに混戦状態に突入する一番隊…
『キンッ…ザシュ』
瑠衣も一太刀交わして袈裟切りに…
平隊士達も集団戦で浪士達の相手をしている。
『ドシュ…ザンッ!』
次々と浪士を斬り倒して行く総司…
こういう時の総司はなかなか止まらない。
瑠衣は一人くらい捕縛出来ないかと考え様子を伺っている…
すると瑠衣に向かって来る浪士が一人……
「みっけ!」
浪士の刀をあっさりと交わし、腹に峰打ちを叩き込む!
「ぐはっ・・・・・」
その場に崩れ落ち気を失う浪士
「一人捕獲ー!」
土方の手前、一人くらい生かして置かないと、後で自分がお小言を喰らう…
副隊長…
微妙な役所なのだ…
『ドスッ…ザシュ…』
その間も総司は軽快に浪士を倒して、峰打ちした一人を残し、残り全員屍と化して倒れている。
「ふぅ…
これで全員ですね」
刀を降り血を払い、殺した相手を見下ろしている総司…
まだ物足りないようにも見えなくはないが、此処は黙っておく。
「十人全員ですね、あぁ一人捕縛しましたが…」
「おや?
何時の間に??」
「副長が五月蝿いですからね、此方に向かって来たので眠って貰いました」
強制的だが・・・・・
「兎に角捕縛したのだけ連れて戻りましょう」
「はい」
気を失っている浪士を平隊士に預け、一番隊は屯所に戻る事にした・・・

