この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第19章 "縛"
(自力で脱出は限りなく不可能に近いか…
参ったな…)
設えたように柱二本だけある土間…
この後に待ってる事を予想すると、良い気分はしない、自分だって死にはしないが痛みはある。
(最悪だな・・・)
今の所、鎖は切れず逃げ出す事も出来ず、打つ手が全く無い。
『ガラッ…』
戸が開く音が聞こえ男が数人入って来た、その手には竹刀が持たれている…
やはりこういう展開かと思ってしまうが、自分の不注意が招いた結果だ仕方が無い。
「目が覚めたか壬生浪」
「いい機会だ色々と吐いて貰うぞ」
「ふんっ…
誰が貴様らに…
話す事なぞ無いっ!!」
新撰組と知って捕まえたか、となれば待ち受けているのは拷問‥それ一択しか無いだろう…
男達は顔を見合わせニヤリと笑い、瑠衣の側に立ち竹刀を振るう!!
『バシッ…バシッ…』
「く"っ…」
背中に竹刀を打ち付けられ、容赦ない痛みが走る…
「くくく…
こんなものでは足りないだろ?」
「仲間達の恨みだ、思い知れ!!」
『バシッ…バシッ…バシッ…バシッ…』
背中とはいわず腹や胸、太腿と体中至る所に竹刀を打ち付けられられる
「・・・・・・・・」
男達がどれだけ竹刀を振るおうとも、瑠衣は一言も発しない…
それくらいの意地と矜持は、持ち合わせているつもりだ。
それを見て男達は更に竹刀を振るう・・・
一刻程竹刀で打たれた頃、新たに男が一人土間に入って来た。
「おぅおぅ派手にやってるな…」
男は瑠衣の前に立つ…
「ほぅ…
この間の奴か」
この声は‥瑠衣は頭を上げて男の顔を見た…
「高杉・・・晋作・・・」
どうやら厄介な連中に捕まったようた…
だが何故?
高杉達は知っていて自分を捕まえたのでは無いのか??
「おぅよ、よくもこの間は邪魔をしてくれたな」
「ふんっ・・
腕…では…無く…心の…臓を…狙えば…良かった…ぜ…」
「先生に何を言う!!」
怒れる浪士が、後ろから背中に竹刀を振るって来る…
「ほぅ…
これはかなり気が強そうだ」
「誉め…言…葉と…受け…取っておく…よ…」
その間も体の至る所に竹刀が飛ぶ…
着ている着流しは血で滲み、赤色に染まりつつある。