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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第19章 "縛"


「俺に出ろと?」

「あまり他の奴には見せとうない、ほんまに信用出来る人だけでえぇ…」

土方は少し考える…


(山崎が此処まで言うのであれば何か問題があるのだろう、それに総司の様子もさっきからおかしい…
要は総司の止め役が必要って訳か…)


「分かった俺が出よう、総司お前も用意して来い」

「・・・・分かりました」

総司は直ぐに土方の部屋を後にする…


「副長…
何かあったら沖田はん止めてや…」

「あぁ、多分そんな事だと思ったぜ」

「後…
何見ても驚かんといてな…」

「あ…あぁ…」

真剣な山崎に頷くしかない土方だった・・・




総司は自室に戻り、直ぐに着替えをし、隊服を羽織を羽織る。

そして大刀を差し脇差しに手を伸ばす…


(必ず助けますから…)


瑠衣の脇差しを一度確かめ腰に差す…
そして隊服を翻し、土方と合流する為部屋を出た。



土方の部屋に戻った総司、土方も準備を済ませている…
そこに山崎が屋根裏から降りて来た。

山崎も何時もは所持しない長めの忍刀を腰の後ろに差している。


「では行きますさかい、わてを見失わんといてや」

山崎はサッと屋根裏に入って行く…


「さて、俺達も行くか」

「えぇ…」

何時にも増して総司の気が荒い…
一抹の不安を抱えながら、総司と土方も屯所を出た。




山崎が見えるか見えないかくらいの姿で、屋根の上から二人を誘導する。

細い裏路地を何本も進み、行き止まりに一つの家があった。

古くも無く新しくも無く、立派そうで、そうでも無い…
きちんと手入れはしているが、あまり人が住みたい場所では無いといった所か。

山崎が屋根から降りて来て二人に合流した。


「わては屋根裏から入りますさかいに、時を見て突入して下さい」

そう言うとまた屋根の上に登り、目的の家の中に消えた。


少しの間待つ二人・・・


「行くか…」

総司も頷く…

二人は刀を抜いて、正面から飛び込んだ!!


『ザシュ』


入り口に居た浪士を斬り伏せ、中に入る総司と土方。


「二手に分かれるぞっ!!」

「えぇ…」

土方は手間の部屋で止まり、総司は土方を越えて走り次の部屋を目指す。

そして障子を開け、油断していた浪士達を次々と躊躇いも無く斬って行く…
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