この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第19章 "縛"
総司も兎も角、返り血が付いた着物を着替え井戸へ血を流しに出た。
部屋に戻り、瑠衣が寝ている布団の側に座る…
「瑠衣…」
じっと瑠衣を見ている総司、瑠衣は意識無く昏々と眠っている。
今は眠っているが、目が覚めたらどんな反応をするか…
少し怖い様な気がしながらも、瑠衣が居る事に安心し、何時の間にか総司も瑠衣の隣で眠りに付いた・・・・・
朝ー
総司は日の光で目が覚めた、やはり昨日の乱戦で疲れていたようである。
(あぁ…
昨日そのまま寝てしまったのですね)
瑠衣の布団の側で寝てしまったらしい。
幸い火鉢が幾つも置いてある為、寒い思いはしなかったが‥
「…瑠衣」
優しい声で瑠衣に話かけると…
「んっ………」
瑠衣がうっすらと目を開けた……
「こ…こは?」
声が潰れているのか、少し枯れた小さな声を出す…
「目が覚めましたか?
此処は屯所の自室ですよ」
瑠衣の目が側に居る総司を捕らえる…
「…総‥司??」
「はい、分かりますか?」
……朧気ながら覚えている、総司達が助けてくれた事‥総司に渡していた護神刀が鎖を断ち切ったのを……
「…総司…私…」
今にも泣きそうな顔をする瑠衣、あの数日間の地獄のやり取りが、少しだけ脳裏を掠める。
「辛かったですよね、でももう大丈夫ですから」
「…はい…」
「痛みますか?」
「…かなり痛い…です」
麻痺していた感覚が戻って来て体中が痛い…
瑠衣は起き上がろとするが、上手く出来ない。
「まだ無理ですよ‥」
「背中が痛くて…」
「あぁ…」
総司が瑠衣に触れようと手を伸ばすと、瑠衣は怖れるようにビクッと体を震えさせた。
「大丈夫ですから…」
これ以上ないような優しい声で、瑠衣を落ち着かせる…
「・・・・・・・・」
もう一度総司は瑠衣に手を伸ばす…
今度は素直に総司のなすが儘になって、そっと上半身だけ体を起こした。
「痛みは?」
「この方が…少し…楽です」
布団の中で自分の状態を一応確かめると…
体中に包帯、さらし、湿布…
まぁ‥あれだけ手酷くやられれば、この状態は当たり前…
「我ながら酷い…有り様‥ですね…」
あまりの姿に、ふぅと溜め息を零す…
・