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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第5章 "誠"


(ちょっと待て、"鬼"の始末だと!?
…聞いて無いぞっ)


何故三人が自分を凝視してたか、やっと理解した

こんな細腕で旗本の凡々の自分が激務に耐えられる訳が無い、そう言いたいのだろう


「では、私と手合わせと言うのはどうですかぁー、どうせ入隊試験するのでしょう?」

今まで黙っていた総司が口を挟んで来た

「沖田君、しかし…幾らなんでも入隊試験を君がやる事は無いのではないかい?」

山南は反対のようだ

「いや山南さん、どの道"鬼"と対峙するのなら一番隊になる、やらせて見ても良いんじゃねぇか、その餓鬼の実力も分かるってこった」

土方は面白がってるとしか思えない

「総司と手合わせして、実力が無かったら他の隊に回せばいいことだ、手っ取り早くて此方は助かるがな」

クックッと笑う土方‥
そらどうしたとでも言いたいのか…


「分かりました、沖田先生手合わせ宜しくお願い致します」

ここまで来たら瑠衣も後には引けない、土方の策に乗ってやるのは不本意だが、会津公と当代様の借りもある("鬼"の話しは後で本人と話してやるっ!!)ので引くに引けないのが現実なのだが…

とにかく今は総司の言う通りに手合わせを受けるしかこの三人を納得させる方法は無い


「では道場へ行きましょう、胴着はありますか?」

「はい、あります」

「では空き部屋で着替えて道場に来て下さいねー私は先に行ってますので…」

総司は本当に楽しそうに部屋から出て行った‥

この状態を楽しんでいるようにしか見えないのは気のせいか??


「橘君、無理はしないように‥」

止めても無駄と分かったのか、近藤は一言そう言う…

「はい、分かりました」

にっこり答える瑠衣、そして山南から空き部屋聞き部屋を退出した……



「・・・歳、やり過ぎだぞ」

近藤は土方に向かって眉を細める

「良いじゃねぇか、鼻持ちならない餓鬼は早めに潰しておくんだよっ」

土方は会津公、朱雀様の太鼓判が気に食わないらしい‥

「全く・・・」

近藤はため息をつきながら立ち上がり道場を目指す…
土方と山南もその後を追った・・・

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