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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第20章 "追"
「・・・・・・・・・・」
何も言えない総司‥
瑠衣ならば、やると言ったら本当にやる………
「という事で終わりましたので、明日はよろしく」
そう言い残し、風呂道具を持って風呂に入りに行った。
「はぁ…
明日は私ですか…」
ガックリとうなだれ、瑠衣を見送る総司だった・・・・・
昼過ぎ、瑠衣は型代を使い焔を呼び出していた…。
場所は相変わらず屯所の裏側、しかし此処も自分が引いている結界の中に当たるので心配は少ない。
「橘様、お呼びでしょうか?」
焔が短距離転移で姿を現した。
「急な呼び出しですまない、欲しい物があってな…」
「なんなりと」
「結界を作る符と石が底が尽きそうなんだ、新しく作りたいので材料が欲しい」
焔はおやという顔で瑠衣を見る。
「…
始めから主上がお作りした品では駄目で御座いますか?」
「駄目では無いが当代様も忙しいだろうし、結界陣符だけでは無く他の術符も作りたい」
「どのくらい必要で御座いますか?」
「多いに越した事は無いな…
多分‥最低でも後七回は上級と出会う可能性がある」
空に君臨している結界陣の線は後七本、全てに上級を配置してるとなると、最低でも後七回上級と戦う事になる。
「分かりました、用意出来次第繋ぎを出します」
「頼んだ」
相変わらず低姿勢の焔が消えて、瑠衣はそのまま敷地の壁を乗り越える…
一々正面まで回るのが面倒になったのだ。
幸い位置的には蔵の辺りに出る、この辺りはあまり幹部も平隊士達も近寄らない場所…
奥の蔵は、ほぼ土方専用の拷問部屋と思われているからだ。
蔵の方から、裏を回って幹部棟に入る…
そしてそのまま自室の廊下の方へ足を延ばす。
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