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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第20章 "追"
そう…
最後に裏路地を歩いていた人物は土方だった…
土方は高杉に向かって走り、間合いを詰める!!
『キーン!!』
刀が交あう音がし、二人が鍔競り合いになっている…
普段こそあまり実戦には出ない土方だが、その実力は総司に匹敵すると言われている。
『ギギギ…』
どちらも引かない競り合いの音、体格的にも腕力的にも高杉を上回る土方の方が、力勝負に持ち込もうとしているらしい。
「その手は食うかっ!!」
高杉は土方の刀を弾き返し、瞬時に間合いを取る二人…
(駄目だ高杉には結界が…)
自分は動きたくても、符の力で動けない。
間合いを見定め‥喧嘩殺法を売りにする土方が、突如高杉に向かって地面を蹴り上げた!!
「!!!!!」
地面の土が舞い高杉の目を襲う。
「はぁぁぁ!!」
そこに渾身の力を込めて、高杉に刀を振り下ろした!!
『バチーッ!!』
土方の目から見れば、刀は黒い何かに弾き返された‥そんな感じ……
「なんだぁ!?」
「ふん、形成逆転だな…」
反撃とばかりに高杉が土方に遅い掛かる!!
『キンッ…ヒュン…キンッ…』
高杉の連撃を土方も紙一重で交わす。
「やるじゃねぇか…」
「そっちもなぁ…」
互いに睨み合いが続く中………
その時!!
「はぁーーっ!!」
土方の横を物凄い速さで走り抜け、総司が高杉に遅い掛かった!!
『バチーッ!!』
やはり高杉が持つ結界に阻まれる・・・
「総司か!?」
「土方さん!?」
新撰組大物二人…
高杉を囲む様に刀を構え、間合いを取って立っている。
「俺一人に幹部二人かぁー
くくく…
楽しいぜ…」
幾ら攻撃しても、高杉の結界がある限り此方が不利だ。
瑠衣は高杉の後ろから三人を見ているしかない…
(あ…!
総司の持っている刀…
朱桜刀!!)
何故総司が持っているのかは分からないが、朱桜刀で戦っているのなら勝機はある!!
体は封じられてるが力は封じられていない筈…
それに力で無くても朱桜刀ならば、自分の意志だけでいう事を聞く、そう朱雀を継いだ時に契約してある、それが朱桜刀‥朱雀の神の刀だ!!
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