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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第20章 "追"


「持って来た情報に的確に判断し指示を出す、それが自分の仕事だったと…
其処に感情は不要…
人形の様に正確に答えを出す、大人が求めたのはそんな自分だと……」

「……
普通有り得ないだろう、総司お前でも知られたくない感情を心に隠すくらいで、決して感情が無い訳では無かった…
だが此奴はまるっきり感情が無かったって言いたいのか??」

「言葉や教養として最低限の感情表現は分かると…
けどそれは教養としてで、決して自分の感情じゃ無かったと思います…
だから来た頃は教養として覚えている、笑顔とか笑いとか楽しいとかそんな感情表現は…
私と同じ作り物だった…」

「作り物であんな楽天的な感情表現が出来るのか??」

「そう教わったのでは無いでのでしょうか?
兎に角此処に来てから、随分皆さんの豊かな感情表現に戸惑っていたのは確かですね…
まぁ‥瑠衣曰わく一番の原因は私だったらしいですが…」

「総司お前がかよ………」

「気になって…
つい色々構ったんですよ……」

「ほぉー
って事は今でもか…」

揚げ足を取りニヤリと笑う土方。

「・・・・・」

一方総司は図星だけに何も答えられない。


「まぁ…
お前らの事だ、上手くやるんだろうな…」

「…勿論ですよ」

やっと出口の明かりが見えて来る…

二人の考えにも出口はあるのだろうか‥
そう土方は思った。


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