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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第20章 "追"
「自分も外法は嫌いです、人の命を力に…
最低ですよ…」
「確かにな…
良い気分ではねぇな…」
「えぇ…」
納得する二人…
苦しみを力にするなど、ぞっと寒気がする。
「本来はずっと昔に封印された筈だったんです…
それを誰かが開いた・・・」
「其奴が黒幕だと言いてぇのか…」
「はい、多分高杉達は其奴らに使われたと見てます」
「不逞浪士より厄介じゃねぇか…」
土方はポリポリ頭を掻く、総司と同じく困った時の癖だ。
「で橘、お前はその陰陽道ってやつは、実際にどの程度使えるんだ??」
「どの程度と言われても……
前に話した通り、符や石、形代‥
後、術式や真言で相手を封じたり操ったり、先程の高杉の様に自分に結界を張ったり‥
使う媒体や術式真言で大分力に差がでます」
半分程度しか理解は出来ないが、総合的に考え…
「じゃぁ敵の方が強いって訳か…」
「認めたく無いですけど、そうなります」
的確に言われ、瑠衣も嫌な顔をしている。
「厄介だな…
それは"鬼"も操れるって事か?」
土方は相変わらず鋭いと思う…
「…はぁー
操ると言うか、集めるみたいなものならば陰陽道にもあると思いますが、操るは流石に無いですね…
もしかしたら外法には有るのかも知れません」
「外法の内容は知らないのか…」
「元々封印されていた物をどうやって知れと??
自分も概要くらいしか知りません」
「それもそうだ…」
「必要なら外宮で調べて見ますが??」
「出来るのか?」
仕方が無くだが瑠衣は頷く…
「調べるだけなら…
でも外法に関する物が必ず有るとは限らないです」
「そうか…
出来たら調べて欲しい」
「…分かりました」
話は其処までで、三人は屯所に着いた。
「とりあえず口外無用だ」
「「承知」」
そして土方と瑠衣達は、素知らぬ顔をして別々に別れた…
「さて、風呂行きますよ」
「はーい・・・」
総司はそう言って風呂場に向かって歩き出す…
その後、少々不機嫌な総司に頭の先から足の先まで、ゴシゴシ洗われた‥とか・・・・・
瑠衣は瑠衣で、その間に痣はしっかり消したが……
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