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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第21章 "術"

「確かに難しいですね…
では自然だけを監視して、一生を終わる方も居る訳ですか?」
「それも有るんじゃないんですか??
実際、朱雀様以外の三神様は、人とは関わりない場所に本宮と外宮を構えていますし…
逆に朱雀様の方が特殊なんだと思います」
総司・土方・山崎はそれぞれ考え込んでしまう。
瑠衣は溜め息一つ‥
別に嘘はついてない全て本当の事…
ただ‥隠し事はあるが…。
「肉体があるという事は生活がある、それも一族なんて大きなものを抱えて居ますからね
だから生まれ持って武術や学術などの教養はかなり高いんですよ…
自分達が一生掛かっても持ち得ない武や学があるんです」
瑠衣はもう一度溜め息を吐く……
好きで武や学を習った訳では無い強制的だ…
成る可くして成るように…
ただし多少の個人差は出るが…
「少し術の話から脱線しました、兎に角術というのは高位から低位まで幅広いです…
直ぐ覚えられる訳でも無く、才能が無いと開花しない、結構厄介なものなんですよ」
「はぁ…
みてぇだな…」
土方は諦めた様に呟く…
「じゃぁ‥
うちの幹部や平隊士達に術を教えるってのは無理な話だな…」
「副長そんなん事考えていたんですかい!?」
山崎は少々呆れ顔で土方を見ている。
「うーん…
教えるってのは無理に近いと思いますが…
素質があるかどうかも分かりませんので……
ですが、護身用に符か札を持たせると言う事は出来ますね」
ギリギリの妥協点…
此処までが普通の人間の限界…
「因みにどんなのだ??」
「そうですね…
隊士達の体を考えたら……
"鬼"を寄せ付けない様にする符
気配を消す符
なるべく病気掛からない様にする札…
そんな所ですね…
それ以上は符の力が大きく、体に負担が掛かりますので…」
「"鬼"を寄せ付けない?」
「はい、上級は無理ですが、低級なら符の力で近寄れない様には出来る筈です」
「手に入るか??」
瑠衣はどう答えようか暫く考える…
「どうでしょう?
外宮で頼んでみますが‥多分十枚…
それが限界だと思います」
「十枚か…
巡察一組と同じ数だな…」
「そか、持ち回りで使えば良いんやな」
「なる程ー」
三人は合理的と納得し合ってるが…
(はぁ…
こっちの苦労も知らないで………)
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