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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第21章 "術"

「兎に角‥符を集めるのに少し時間が掛かります、それでも良いですか??」
「あぁ構わねぇ、そこは橘お前に任せる」
「…分かりました」
こうして内輪だけの、術の講習会もどきが終わった・・・・・
「はぁー―――――――っ」
土方の部屋を出て廊下を歩きながら、盛大な溜め息をしてしまう。
「クスッ‥
随分大きな溜め息ですね」
総司が後ろから追い掛けて来たらしい。
「溜め息も出ますよ
あーんな長い説明させられて、トドメに符が欲しい??
少しはこっちの身にもなって下さい!」
瑠衣はかなり不機嫌状態……
「まぁー
眠くなる程の長話でしたからねぇ」
「眠くって……」
「で、土方さんが言った符、瑠衣が作るのでしょう?」
「そうなりますね・・・」
総司は相変わらず勘が鋭い、余計な所をしっかり勘付いてくれる。
「だから溜め息なんですよ」
「なる程」
土方は人使いが荒い、瑠衣はついついそう思ってしまう。
「次の非番に作りますよ…」
「この間言っていたあれですか??」
「そうです」
「じゃあ同伴でー」
「分かってます、約束ですからね…」
もう一度、盛大な溜め息を吐く瑠衣だった・・・
非番の日ー
「んーあれと‥あれと‥あぁあれも…」
瑠衣は大きな袋に、符と石を作る為の色々な道具を詰め込んでいる…
「最後に符紙と石‥よしっ!!」
袋を閉めて、少し大きめな荷物を担いだ。
「‥
そういえば総司は何処に?」
さっきから姿が見えないのだが??
早く出ないと、滝に着くのが遅くなってしまう…
とりあえず屯所内の気配を探る……
「・・・・・・居た・・・」
総司が居たのは炊事場、多分井上辺りから何か貰ってるのだろう。
「はぁ…
相変わらずどういう胃をしてるんだ??」
呆れ半分に、つい溜め息を漏らしてしまう……
どうやら気配からして、此方に戻って来る様だ。
「瑠衣、準備出来ました?」
案の定総司が自室に入って来る…
「出来ましたよ、さっさと行きましょうか」
「あー
はいはい……」
総司の様子を探っていたのを臆病にも出さず、二人は屯所を出て一路滝の裏の洞窟を目指した・・・・・

