この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第21章 "術"



『ザ――――――――』


それなりに水量がある滝の水の音が聞こえて来る…

京の街から少し山に入っただけなのに、空気が変わり清々しい。


「山に入れば、やはり少し雪が積もっていますねぇ」

前に来た時は秋の終わり頃、景色は少しだけ冬に変化している。

「そうですね、足跡も無い‥本当に誰も近付かないんですね」

まだ草は見えているが、うっすらと草に雪が被っている…
滝の音を聞きながら、誰も歩いて居ないその道を二人で歩き進めた・・・




「うーん久しぶりです…」

総司は両腕を広げ、滝の方を向いて深呼吸をしている。

「総司先行きますよ?」

「あぁー
待って下さいよぉ」

滝壷に向かって歩いてる瑠衣の後を追う総司、相変わらず主導権は瑠衣にあるようだ…



『ザ――――――――』


滝の裏に入ると水の音が微妙に変わる、それもまた心地良い…

そのまま先に進み、前に来た開けた場所で止まった二人…

今日は天気も良く、日の光が洞窟内を明るく照らしている。


「さて…
さっさとやりますかぁー!」

瑠衣は大きな袋下ろし、中から必要な物を取り出していく…

中くらいの白い平皿が三枚、符紙、術用の石、筆…
次々と地面に並べて用意する。


「こんな物かな?」

最後に大刀と脇差しを地面に置いた。


総司は邪魔にならないように、少し離れた岩に座って様子を見ている。


瑠衣はすぅーっと深呼吸をし、瞳を閉じ両手を前に出す…

仄かな淡い光が、瑠衣の体全体を包んでいく…

そんな様子を総司は後ろからただ黙って見ている。


髪は長く銀色に…

背は瑠衣より高く…

服は白を基調とした薄紅のものに…

瞳を開くと赤色の瞳…

そして、そっと大刀…
朱桜刀に触れる…

大刀から金色の太刀へと…

朱桜刀を引き抜き、そっと手を添えた。


『スー…』


赤い筋が一本指先を掠める…

「・・・・・・」

そして滲み出て来た血を、一滴だけ地面に落とした…

落ちた血はすぐさま形を変え、複雑な文字の入った方陣を作る、その中心には百個の透明な術石がある。


「まず一つ…」

次は八十八枚の符紙を置いている場所に、また血を一滴落とす。

血はまた形を変え、先程とは違う文字を写し出し方陣を作る。

「二つ…」
/735ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ