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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第21章 "術"


そして最後に平皿に自分の血を落としていく…

皿に半分程溜まった所で、指先を反対の手で押さえる…
すると傷は跡形も無く消えていた。


「さて…」

その場に座り筆を持ち、先程皿に溜めた血を付け、符紙に文字を書いていく…

それが十枚…

「二枚あまりましたね…
そう…」

何かを思い出したのか残りの二枚の符紙に、先程とは違う文字を書き始めた。


「これで百枚…」

皿の血はほぼ無くなり、符紙は乾かす為に少しづつずらして置いてある。

「後は待つだけ…」

とりあえず一段落したので立ち上がり、総司の方へ向かう。


「…総司…?」

少しの間うたた寝していたらしい総司の目が開く。

「…んっ…
もう良いのですか?」

「後は待つだけですから…」

総司と同じ岩に座り背中をくっ付ける…


「…
久しぶりですね、その姿…」

「そうですね…」

お互背を付けているので、どんな表情をしてるか分からない。


「あまり人に見せられる姿でも無いですし、本当にこの場所だけになりそうです」

「綺麗なのに…」

総司は瑠衣の銀色の長い髪にそっと触れる…

「仕方がないです…
どう見ても朱雀様ですからね」

そう言ってクスクス笑う。

「勿体無いですね…
ですけど……
私だけというのも悪い気はしないです」

「クスクス…
総司最近本当に独占欲強いですよ‥」

「瑠衣限定ですっ」

「クスクス…」

瑠衣は尚も笑っている。

くっ付ついてる背中が温かい…


「こっちに来てから不思議に思うんです…」

「何がですか?」

「総司に触れていると凄く安心出来るんです…
今までそんな事を感じた事は無かったのに…」

「それは凄く嬉しいですね…
それだけ私を信用してくれているのでしょう?」

「……
そうかも知れませんね…
総司と一緒の時は安心して心が軽くなる…
それは無条件に相手を信じていないと出来ない事…」

「えぇ…」

背中の温かさが優しい…
何時もの警戒心が全く無くなる…
それは相手を信用しているから……


「本当に温かくて…優しくて…」

「瑠衣も温かいし、優しいですよ」

お互いの温もりが、お互いを癒やしているようで…
安心している二人は背中を合わせたまま、うたた寝に入っていった・・・・・
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