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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第6章 "同"


昼間の道場騒ぎの後-


総司は気を失って、打ち身(ギリギリの所で瑠衣は手加減したのだが…)の為、手当てをされて自室に放り込まれたまま…


瑠衣はと言うと、これもまた張り詰めていたものが切れたのか、気を失ってはいないがほぼ動けない状態なので、とりあえず寝かせる場所が無かったから客間に連れて行き布団で横になっている。




所変わって局長室ー


近藤・土方・山南は奥部屋で囲むように座っている
三人共渋い顔をしながら……

「しかし…まさかあれ程の腕前だったとは…」

楽観視していた近藤もこれには渋い顔を隠せない‥

「あぁ…予想外っていうのは、あんなのを言うのだろうな…」

土方の煙管をくるくると回しているのは苛々している時の癖、落ち着かないのだろう…

「しかし、彼の配置はどうされるのですか??」

三人の中で一番落ち着きを取り戻している山南が二人に言う。


「そりゃあなぁ・・・」

仮ににも幹部連中の中で本気の総司を倒した橘、それを全員にしっかり見られている訳で…

普通の平隊士の扱いという訳にはいかねえ、基本的に組は実力重視だ

かといって、これ以上隊を増やして隊長格を作る訳にもいくまい(平隊士の数の問題もある…)


「どうしたもんか・・・」

グシャグシャと頭をかいている土方、これも土方の苛々している時の癖の一つ…

ぐるりと近藤の方を見れば、先ほど瑠衣が持って来た会津公と朱雀様の書状が文机の上に置いてあった……


「・・・・・そうか・・」

怪訝そうな顔で土方の方を見る近藤、山南も首を傾げて土方を見ている。


「"鬼"を退治するなら一番隊、さっきの書状にも書いてあったじゃねーか、"鬼"退治の手助けになればとよ」

土方のその切れ長の瞳がキラキラと光る
こんな時は何か妙案でも閃いた証拠だ…


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