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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第21章 "術"

どうやって隊士に持たせるか、そこが問題で、乱暴に扱うと直ぐに符は霧散してしまう。
「なるべく隊士共には分からなくかぁ…」
「はい、出来れば…」
瑠衣と土方、何か良い方法が無いか腕を組み考え出す…
「でしたら良い案がありますよ??」
山南がにっこりと笑い、瑠衣と土方を交互に見ている。
「山南さん、良い案とは?」
土方は多少乗る気だ
こういう時の山南の案は、大概的確なのを知っているからで信用出来る。
「橘君、その符は折って小さくしても構わないのかい?」
「はい構いません」
此方は山南の意図が中々掴めない…
「でしたら、お守り袋の中に入れるのはどうでしょうか?
必勝祈願とか言えば、隊士達も納得するのではありませんか?」
「なる程、お守り袋の中だと、ただの札に見え、必勝祈願と言えば隊士達は大事にする、一石二鳥だな」
土方の言葉に瑠衣も同意とばかりに頷いた。
「では守り袋でも作るんですか??」
自慢じゃ無いが、そっち方面は苦手だ・・・
「いや、何処かの神社の守り袋で良いだろう、中身だけすり替えてな…
出来たら必勝守りが良いんじゃねぇか?
別に守り袋で効果が半減する事も無いんだろ?」
「無いですね、出来れば赤色の守り袋が一番です」
赤は朱雀の炎に繋がる、微力ながら効果が多少上がるだろう。
「その辺は山崎にでも調達してもらうさ…
山崎なら詳しそうだからな」
「自分もそれが宜しいかと…」
「あぁ、山崎には直ぐに手配させる、それで方が付くだろうさ…
さて、山南さん用件というのは??」
話は終わったと、瑠衣は立ち上がり二人を見る。
「自分は夕方の巡察がありますのでこれで…」
「あぁご苦労だったな」
「橘君今度色々話しましょう」
「はい、分かりました」
そう言い土方の部屋を後にした……
土方と山南の話はと言うと、夜近くまで続いたとか・・・・・
夕方ー
「では皆さん行きますよ」
総司を先頭に夕方の巡察が始まる。
今日は監察方からの情報も無く、普通の巡察になりそうだ。
平隊士達には試験的に、例の符入りお守り袋を持たせている(山崎が速攻で調達して来た)。
勿論、総司と瑠衣には必要は無い…
逆に鏡を持ち、どの程度"鬼"を避けれるかの確認担当になる。
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