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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第21章 "術"


「今日は何事も無いと良いんですが…」

「そうですね、今日の巡察の目的は、符の効力の方に有りますからね」

「沖田先生、間違っても不逞浪士を全力で追いかけないで下さいよ・・・」

「分かってますよぉ」

さもさもと頬を膨らませて総司は瑠衣を見る。

「そんな顔に騙されません」

瑠衣は総司の不満を見事に無視する事に…

「ちぇっ…」

瑠衣に見透かされた事に気づき、少々不機嫌な総司…
そんな痴話喧嘩から今日も巡察が始まる。


(これで良いのか一番隊・・・・・)


街中に入り決まりの順路を歩く…

いつぞや土方が言っていた通り、隊服では無く普通の羽織・袴だ、やはり一番隊が始めに犠牲になった・・・


日も傾き、静寂な夜の静けさがやって来る…

多分賑わっているのは、島原と祇園くらいだろう‥

不思議と島原・祇園は"鬼"の被害が少ない。


それに合わせて、巡察順路から外されている事が多い…

不逞浪士が居た所で、あの中では見付けるのすら難しい、それも理由の一つでは有るが‥

総司と瑠衣は鏡を見ながら歩く、勿論周辺の観察も忘れない。


「沖田先生、このまま順路を進むと"鬼"と出くわす場所が有りますね」

「そうですね、このまま試しに進んで行きましょう、もし駄目でも私達が倒せば済む事ですし」

その言葉に少々ムッとする瑠衣、符自体は完璧である、問題点はどの程度で"鬼"が避けるかの方なのだが、総司はそれに気付いていない。


「…倒せば…ね…」

思った事が、ついつい言葉に出てしまった。

「あれ?
何か違いました??」

「いーえ、何も違いは有りません」

「な…
何か‥橘さん怒っていませんか・・・・・」

流石にひしひしと瑠衣の怒りを感じる…
何か変な事を言っただろうか?
総司は本気で考える。


「別に何も怒ってはいませんよ沖田先生」

"沖田先生"とあらかさまに付ける時程、怒っている証拠だと思う・・・


(私‥何を怒らせました??)


考えても、中々答えが出ない‥と言うか分からない??


「兎に角、先を急ぎますよ沖田先生」

「あ‥
はいはいっ‥」

"鬼"に向かいドンドン進んで行く一番隊、瑠衣は総司の方に振り向く事もせず、ずっと鏡を見詰めている。


(黒の術石の事もある、憂いはさっさと片付けた方が良い)


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