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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第2章 "神"


現代…

  高層ビルや車・飛行機…
何でもある便利な世の中

そんな中で、不思議な存在

昔から八百万の神々と言われ、神社仏閣なぞに崇められている神々の姿を見た事がありますか??

中には"見える"と言う人もいるかもしれない。

しかし、この世の中に四神のみ遙か昔から"現世神"と呼ばれる人と同じ肉体を持ち、人には持ち得ない力を有し、人より長い寿命を持つ"神"が確かに存在した。


"青龍・朱雀・白虎・玄武"


東西南北を示す"四神"

彼らは確かにこの世に存在した




20××年賀正


"四神の一神、朱雀の外宮"


本来"神"と言うモノは人との接触を良しとしない中で、この朱雀様だけは人々の生活する土地に"朱雀の外宮"と呼ばれる神殿を持ち、その回りには治外法権となる広大な土地に自身の一族と、選ばれた普通の人々を住まわしていた。

今日は年に一度の"お姿見"の日、普段人々の前に殆ど出ない朱雀様が外宮の広場に姿を表し、1年の平和を祈る…

この日だけは、神殿を解放し誰でも朱雀様を見る事が出来る。

今年も広場は"神"の祝福を受けたく集まった人・人・人でごった返している。

その遥か彼方に朱雀の武将と呼ばれる一族に守られ、舞台の上に朱雀は居た。


腰よりも長くサラサラな銀色の髪

世の女性が理想とする、スラリとした体型

誰にも真似の出来ない絶世の美貌

そして…
人には持ち得ない赤い瞳!!


"彼女"は祭壇の中央に立ち、金色に輝く太刀を横にし持ち上げ、伏し目がちに何かの呪を唱えている…

そして…
太刀を引き抜き上段に上げ

「我願う…今年の世の豊作と平和、世界の安定を!!」

その言葉と共に朱雀の周りから炎が飛び出し広場へと炎は走り回る…

そして小さく小さく分裂した炎は広場に居る人々に降ってゆく・・・

人々はその炎を少しでも自分に被りたく、手を上げたり炎を捕まえようとしている。


そう…

この炎は"祝福の炎"

触っても熱くは無く、触れれば1年の御利益にありつける、なにせ彼女は"神"なのだから・・

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