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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"

勿論噂を流した奴等のお仕置きはしっかりしたが…
道場で気絶するまで伸したとかしないとか・・・・・
「後どれくらい待てば良いのですかねぇー」
「多分‥もう直ぐだと思いますよ、自分達が一番最後だと思いますから」
「早く片付けたいです」
「それは自分も同じです」
二人して溜め息を吐きながら、やっぱり仲良く廊下を歩いていた・・・
「月詠…
次は新撰組の沖田と橘を呼び寄せろ」
何時も通り薬を流し込まれ、一時の快楽に身を任せた後、淡崎は素っ気なく話を切り出した。
「へぇ、しかし新撰組の方は時が掛かるかも知れまへん」
「あぁ構わない、兎に角二人一緒に呼び出すんだ良いな」
「分かりました…」
俯く月詠、淡崎は話しは終わりと、とっとと部屋を出て行く…
俯いた月詠が笑っているのも知らずに・・・
次の日の昼間ー
瑠衣は文を一枚持ち、足早に自室へと足を運ぶ。
「総司居ますか?」
「はい、何でしょう?」
今日の書類整理はまた瑠衣なので、総司は刀の手入れをしていた。
「…来ましたよ…」
瑠衣の言葉に刀を置き、手に持っている文を見る。
「月詠からの招待の文です、一応形通りにやってるみたいですね」
総司に月詠からの文を渡す…
其処には何の変哲も無い遊郭への誘いの文が書いてある、ただ二人一緒に来て欲しいという点を除いてだが。
「確か明日非番でしたね、では今晩会うように文を返しましょう」
「えぇ、分かりました」
瑠衣は文机に座り、何時もの書類とは違う綺麗な紙に、月詠への返事を書き出し始めた…
総司はまた刀の手入れの続きを始める…
一通り書き終え、文を綺麗にたたみ、立ち上がる瑠衣。
「とりあえず飛脚に頼んで来ます、今ならばまだ屯所内に居る筈ですので」
瑠衣は文を持ち、急いで自室を後にした。
「さて…
鬼が出るか蛇が出るか…
何が飛び出すのでしょうね…」
綺麗に手入れし終わった菊一文字を眺め、一息ついてから総司は刀を鞘に戻した・・・
島原ー
「沖田はん、橘はん、忙しい所良くおいでやすぅ」
月詠が手を付き座敷に入って来た…
「久しぶりですね月詠さん」
今日は総司が上座、瑠衣はその隣に席を取ってある。

