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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"


「ほんまに…
沖田はんは中々来てくれへん」

そう言いながら総司の膳の上のお酒を取り、酌をし始める…

「月詠さんも忙しいみたいで、自分も中々会えませんよ」

瑠衣の方は、目の前の酒を独酌しながら月詠に話掛けている。

「ややわぁー
橘はんなら文寄越して貰えば、幾らでも他のお客蹴って相手しますさかいに」

にっこり笑い瑠衣の相手をする月詠、どちらも役者である。



((薬入ってます、気を付けて下さい))

総司にお酌をしながら、力で瑠衣に話かける月詠…

((中身は華因と同じものか?))

((違いますね、どんな効果が有るかわかりません))

((分かった))

相変わらず総司の相手をし、瑠衣は独酌で酒を煽る…
一時の楽しい時間である

その後は暫く月詠との楽しい笑談が続く……


半刻も経った頃か、瑠衣は体の異変に僅かに気付いていた。


(・・・体が熱い…)


一応気付かないフリをして、相手の出方をじっと待つ…
さっきから、気配が一つ‥座敷を睨む様に居るのは分かっている。


「橘はん、顔真っ赤どすぇ」

「あれ‥酔ったかな?」

「本当に橘さん顔赤いですよ?」

二人に言われ、本当に赤いのかと、つい頬に触れてみたりして…


(それなりにキツい薬だな…)


腹の内はそんな事を思いながらも、二人の話ににこやか笑顔で合わせている。


「嫌ですね、あまりからかわないで下さいよー」

ケラケラと作り笑いをしなながら、総司と月詠に話す‥薬の効果は知らぬ顔をして…



「ふん…
そろそろか…」

頃合いを見計らったのか、男が一人自分達の座敷に入って来た。


(…来たか…)


「何者ですか?」

総司は男を睨み言葉を発する。

「月詠もう良いぜ‥
ご苦労だったな…」

男の言葉と共に、月詠は立ち上がり後方へと下がってしまった。

「嫌な感じの奴ですね」

瑠衣は刀に手を掛ける…
総司も既に刀に手を掛けている。

「くくく…
泣くのはどっちかな…」

淡崎は何処から取り出したのか、円月輪を持ち構えている。

 「「お前は!!」」

分かっていながらも大声で叫び、総司と瑠衣は刀を持って立ち上がる!!

が…!!

「くっ!?」

総司が苦しそうに呻き、畳に膝を付いた!?

「沖田先生!?」

この展開は予想外だ、自分のとは違い総司に入れられていた薬は毒の様だ。
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