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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"


それを行えば一瞬だが、死より苦しい思いをする事になる…

それに‥総司は耐えきれるのか?

もし、失敗すれば、淡崎の毒より先に、総司を殺してしまう事になってしまう。


「がはっ…くっ…はぁ…はぁ…」

この間にも毒は総司の体を蝕む…


(・・・・・仕方が無い)


躊躇う余裕なんて無い、今は総司を信じるしか手はないんだ
瑠衣は淡崎を無視し総司に駆け寄る。


「総司!!
聞こえていますか!!」

「はぁ…はぁ…えぇ…はぁ…」

荒い息をしながらも、何とか意識は正常に保っている様だ…

瑠衣は薬の入っていない筈の徳利を持ち、手近な皿に酒を入れる。


「良いですか、良く聞いて下さい!!
毒の解毒をしますが、一瞬ですが物凄い痛みに襲われます、耐えて…下さい……ね…」

総司を思うと、心が悲痛な程痛い、多分辛い顔して話しているとは自分でも思う。

「はぁ…分かり…まし…た…はぁ…はぁ…ぐっ…」

瑠衣は己の歯で指先を噛みきり、皿に一滴血を落とす・・・


("我に眠る浄化の力よ、この者の毒を消しておくれ…")


真言とも願いとも取れない言葉‥その思いの後、瑠衣は皿の酒を煽る…

そしてそのまま総司の口へと、直接口移しで流し込んだ…


『・・・ゴクンッ…』


総司が嚥下したのが見えた、その途端っ!!

「ぐあっ…あぁぁ!!
ぐっ…ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」

物凄い叫びと共に苦しみ出す!!

「くっ…!!」

瑠衣は耐えてくれと言わんばかりに、総司を力いっぱい抱き締めた。

総司も瑠衣の肩に手を掛けて、食い込む様な力で抱き締め、強烈な痛みに耐える。

「くっっ………!」

体の骨が折れそうだ、だが総司の苦しみはこんなものでは無い筈……


「ぐあぁぁぁぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

荒い息を繰り返し、痛みに耐える総司、一瞬体がバラバラに成るような激しい痛みが体中を襲った。

それからは、少しずつではあるが痛みは収まり、あの毒の苦しみも消えてきている。


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…瑠…衣……」

「・・・総司!!」

その言葉を聞いて、もう大丈夫だと判断する‥
賭けに勝ったのだ。

まだ心配だが、瑠衣はそっと総司を放した……


そして再び刀を手に、淡崎に飛び込んで行く!!
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