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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"

「はぁぁぁぁぁっ!!」
『キ――ン!』
ニヤリと笑い、あっさりと円月輪で受け止める淡崎…
だが此方もニヤリと笑い返し…
「誰が一撃だと言ったぁぁっ!!」
ありったけの恨みを込めて"神撃"で猛連撃を繰り出す!!
『キン‥キン‥ザシュ‥キン‥ザシュ‥』
瑠衣渾身の連撃に、流石に全ては防ぎきれない淡崎の体に赤い血の傷が走る!
「糞っ!!
手加減してやがったのかっ!?」
『ザシュ…』
動揺している淡崎の一瞬の隙を付き、瑠衣の刀が淡崎の左目を掠めた!!
「くっ!!
しまった!!」
「これで、お前の主との目のやり取りも消えたな…」
「貴様知って…!!」
瑠衣は淡崎を無視し総司の方へ歩く……
「貴様ぁー!!」
怒り心頭の淡崎の円月輪が二つ飛んでくるが!!
『バシッ‥バシッ‥』
瑠衣はあっさり円月輪をその手に掴んで止めてしまう…
「まさか!?」
「一度見た技は二度はくわん…」
そう言い、興味なさげに円月輪を投げ返す…
「総司大丈夫ですか?」
「えぇ…
大分落ち着きました」
毒も抜けた総司は、立ち上がり刀を拾う。
「まさかっ!?」
解毒不能な毒を一体何故!?
淡崎には、何が起こっているのか分からない…
「総司、座敷を血で汚す訳にもいかないので移動します、良いですか??」
「えっ?
えぇ‥分かりました…」
瑠衣は総司の腕を掴む、そして…
「華因!!
そっちは頼んだ!!」
「待ってましたわー」
華因は半放心状態の淡崎を引っ張り、四人は座敷から短距離転移した・・・
出た先は島原の路地裏、華因は淡崎の手をポイッと放す…
何時の間にか遊女の姿では無く、薄紫の着流しに長い髪を一括りに結って、その手には赤みがかった刀が握られている。
「ねぇー
今回ぁたしが一番の被害者なんだから、殺る権利はぁたしにあるわよねぇー」
華因はキラキラさせて、瑠衣に同意を求めて来る…
「好きにしたら?」
別に誰が淡崎を殺っても変わりはしない、ならば此処は月詠の好きにさせるのが一番‥瑠衣はそう考える…
総司の方は、華因の変わり様に唖然としているが…
まぁ、"コレ"だけ変われば当たり前‥だとは思う・・・・・
「じゃぁいっきまーす!」
奥に居た月詠は、短距離転移で一瞬で淡崎の前に出た!!

