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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"
その間にも薬は体中を妖艶に駆け巡ぐる…
かなり強力な媚薬だ…
自分ですら、そう簡単には抜けてくれないだろう。
「はぁ…はぁ…はぁ…大丈夫ですから…はぁぁっ…」
自然と息が荒く成るのを抑えられない…
あまり総司にはバレたくは無い、先程辛い思いをしたばかりなのに、また薬だなんて……
「・・・・・・・・」
総司は暫く考えた後、無言で瑠衣の腕を取った‥
"ビクッ!!"
つい体を震わせてしまう、総司に触れられただけで、体は快楽と感じて反応し、余計に熱が上がり体の芯がざわめき出してしまい、理性で媚薬の力を抑えるので自分は手一杯。
「総司…
腕‥離して貰えませんか?」
総司はじっと瑠衣を見詰めている…
確か‥毒が回っていて意識が半分朦朧としてたが、淡崎は瑠衣に強力な媚薬を飲ませたと言ってはいなかったか?
今の瑠衣を見ていると、何かに耐えているように、唇まで噛み締めて…
総司は試しにとばかりに、瑠衣に接吻した!!
「んっ…あんっ…総…司…だめ…あぁぁっ!!」
優しくも激しい総司の接吻に、体は過敏に反応し、息苦しさと甘く与えられる快感に、ガクガクと体中の力が抜けて、総司の着流しにキツくしがみつく…
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
これだけで息が荒く、簡単に堕ちる…
普段の瑠衣から考えても、間違いないく様子がおかしい、媚薬‥聞き違いでは無かったようだ。
「……
瑠衣少し歩けますか?」
「少し…ならば…」
総司は瑠衣の手を引き、気遣いながらも裏路地伝いに島原の街を歩く…
少し歩いた裏路地の隅に、数軒の古めかしい店が立ち並んでいる…
総司は無言で、その店の中に入って行く……
二人が通されたのは八畳程の普通の部屋、表の遊郭とは違いかなり殺風景な感じだが、其処には赤い大きな布団が一組と枕が二つ…
「そ…総司…
もしかして此処って…!?」
茶屋と呼ばれているが、実際は男と女がそう言う事をする場所で……
思い出したくは無いが、自分も数回使った・・・
「総司っ!!」
総司の考えている事が分かり、思わず自分らしからぬくらい慌ててしまう…
「瑠衣、辛いのでしょう??
私は瑠衣のお陰で毒は抜けましたが、瑠衣はそのままですよね?」
あの極限の状態で、淡崎との会話を聞かれていたのか…
隠そうと思っていたのに‥総司の言葉に観念する…