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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"
「瑠衣ならば、直ぐに免許皆伝までいけると思いますよ?」
「ん-
まだ少し分からない所が有るんです」
「分からない所ですか?」
総司は首を傾げる。
「勿論日頃から総司を見ていますから、大概の所は分かりますが、細かい所とか‥少し分からない所がありますね」
「私で良ければ教えますよ、ですが手加減無しですよぉ-」
「勿論!」
総司の言葉に、にっこりと笑う瑠衣、総司の荒稽古は百も承知、それも踏まえて敢えて総司にお願いした。
「では、時間が開いている時にでもやりましょうか?」
総司も嬉しそうに、にっこり笑う…
正式に天然理心流を使うのは、近藤さんと源さんと自分しかいない…
土方さんは半分以上我流だし、後は皆他流派である。
そんな中で、瑠衣が天然理心流を覚えたいと言われたら嬉しく無い訳が無い…
瑠衣は他にも色々な流派を使うが、一人でも多く天然理心流を完全に使える人が増えるのは大歓迎だ!
瑠衣ならば直ぐに全て覚えて仕舞うだろう、近藤さんの喜ぶ顔が目に浮かぶ………
「クスッ…
近藤さん喜ぶだろうなぁ-」
さり気なくだが、瑠衣に膝枕をして貰って気持ち良く横になってる。
「喜びますか?
私でも??」
「勿論ですよ、帰ったら近藤さんに話てみます・・・」
「えぇ…」
今日は下ろしている総司の髪に優しく触れながら、瑠衣もニコリと笑う。
「けど……
瑠衣は私なんかより、もっと凄い技を使うでしょう?」
「凄い技‥ですか?」
今度は瑠衣が首を傾げる番だ…
「えぇ、朱雀様と試合した時、一瞬で九撃入れましたよね?」
「あ……」
それは"神力連撃"の事だろう。
「そういえば見てたんですよね…
あれは"神力連撃"と言って、朱雀の奥義の一つです…
朱雀の力を剣‥あの時は木刀でしたが、兎に角力を剣に与えて最大"神足"で連撃を繰り出す技です、ただ‥完全に力を解放しないといけないので、中々使う事はありません…」
「でも瑠衣が勝ちましたよね?」
「はぁ…
あれは誤算です、同じ技でも人に拠って個人差が出ますよね?
あの時、当代様が急に本気になって技を使ったので、連撃回数の差を完全に頭から抜けてたんですよ…
当代様は最大六撃、私は最大九撃…
この差で勝ったんです」