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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第23章 "師"
今日は、監察方からの情報が一軒入って来ている…
山崎からの情報だ、正確なものだろう。
一番隊は山崎の情報の元、一件の廻船問屋に踏み込む事になる……
「新撰組である、御用改めだ!!
手向かいしなければ無用な争いはせぬ…」
総司が通例通り言葉を発した後、戦陣を切って中に入って行く…
その後ろには瑠衣……
五人を裏口に回し、三人で入り口を固めさせる。
此で、実質動けるのは総司と瑠衣のみになるが、一番隊は此が普通・・・・・
「壬生浪やぁーっっ!!」
店の主人らしき男のその言葉に、奥で密談をしていたらしい浪士共が飛び出して来た!!
「…
先生、当たりですね」
「そうですね、数人は生け捕りにしたいですから、そのつもりで」
「承知」
浪士達は次々と刀を抜き、此方を威嚇して来る…
「相手は二人だ!!
後は雑魚だろう、やっちまえ!!」
相手は十…いや十五人か…?
総司と瑠衣も、向こうに合わせて刀を引き抜いた…
その瞬間、二人の氷のような殺気が浪士達を‥店の中全体を包んだ・・・
「ひ…怯むなやれぇーっ!!」
「「・・・・・・・」」
総司と瑠衣はチラッと目を合わせると、阿吽の呼吸で浪士達の中に飛び込んだっ!!
『キンッ…ザシュ…ドスッ!!』
何時もの如く、総司が軽快に浪士数人を斬り倒して行く…
(さて…
生け捕り用は‥店の主人と指示を出している奴かな…??)
総司がああである為、捕縛は此方の仕事になる、瑠衣はそう考えると指示を出している浪士に向かって、狭い店の中を走る!!
『ザンッ‥ザシュ‥』
途中、邪魔な浪士を軽く斬り倒し、目的の人物まで一直線に向かう…
『ドスッ…ザンッ…ザシュ…』
その間にも、容赦の無い総司の刃が浪士を襲う…
早く捕まえないと、総司が全員切り倒してしまう可能性がある、こう乱戦真っ只中だと総司を止める事は難しい。
瑠衣は素早く指示を出している浪士の前まで走り出て、賺さず峰打ちを繰り出した!!
『ドカッ…!!』
「うっ‥ぐっ!」
綺麗に腹への峰打ちが決まる…
主犯格と思われる浪士は、呆気なく気を失って倒れた……
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