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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第23章 "師"
(次は主人!!)
店の最奥で数人の浪士に守られ、店の主人は屈み込み、小さくなっている。
それを確認し、其方へ向い走る!
勿論襲い掛かって来る浪士は斬り捨てて・・・
「く…来るなぁーっ!?」
主人は瑠衣が刀を片手に向かって来るのを見て、軽い錯乱状態になってるようだ…
そんな店の主人を一旦無視し、手前の三人の浪士を先に斬り捨て、主人には手刀を入れ簡単に気絶させてしまう…
「さて残りは……」
中を見渡すと、後人残って居るようだ…
状況を把握し、瑠衣はぐさま走り出し総司の援護に回る。
『ドスッ…!』
瑠衣に気が付いた浪士を一突きにし倒してぶっ飛ばし、総司と背中合わせで側に立つ!!
「二人生け捕り用に気絶させました」
「えぇ十分です」
そんな二人に、残りの浪士が一斉に襲い掛かって来るっ!!
『ザンッ…ドスッ…ザンッ…』
何事も無かったように、残りの浪士を風のように全て斬り伏せ、一応他に隠れている気配が無いか確かめる…
使用人達は、裏口で平隊士に捕まって居るようだ…
店の中には全く気配は無い、瑠衣の気配読みの高さ故に出来る事である。
瑠衣は一息吐き力を抜いて刀を振り鞘に収める、それを見て総司も安全だと刀を拭い鞘に戻した…
「……
相変わらず派手にやりましたね沖田先生」
捕縛用に持って来ている縄を腰から外し、主犯の浪士を縛り上げようと動く…
「そういう橘さんこそ容赦ないですよ?」
総司は瀕死の浪士と死体の確認に歩き回る。
「自分はちゃんと生け捕りにしていますが・・・」
浪士を器用に縛り上げ、次の主人の方へ向かう、捕縛は訓練の内、隊士ならば皆出来る‥得手不得手はあるが……
「まぁ…
居たら居たで、全員殺っちゃう可能性が有るのは確かですけど・・・」
兎に角、今日の総司は暴走はしていない…
‥ので、首と胴は全員繋がっているようた・・・・・
「一応捕り物なんですから、全員は止めて下さい……」
店の主人を縛り上げて、主犯の浪人と一緒にひと纏めにして、やっと捕り物が一段落する。
「後始末もありますし、裏の隊士達を呼んで来ます」
「えぇ、そうですね」
これ以上は平隊士の仕事になる、総司にそう言い残し、瑠衣は隊士達が固まっている裏口へと向かった・・・・