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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第23章 "師"
「お前らな、他は誤魔化せても、俺まで誤魔化せるとは思っていないよな…??」
瞬間顔が引きつる二人………
「ちょっと俺の部屋まで来いっ!!」
これは不味いと、大人しく土方の後に付いて行く事に・・・・・
「で、どういう訳だ?」
胡座を掻いて、煙管を吹かしている土方に対し、障子を背に隣同士座る総司と瑠衣、どうにも居心地が悪い。
「どういう訳と言われましても……」
「ちょっとした悪戯心だったんですよぉ-」
二人共バツが悪そうに土方を見る‥眉間のシワが何時になく深いのは危険な証拠……
「お前らな、いちゃつくのは勝手だが、少しはバレないように出来ないか…??」
ふぅーと煙管を吹かして総司と瑠衣を睨む・・・
「あれは不可抗力ですよぉ、まさか左之達に見付かるとは思っていませんでしたし…」
頬をポリポリと掻く総司、既に言い訳にすらなっていない…
「橘、お前も女子姿ってどういう事だ??」
更に瑠衣を睨む土方…
「あ-そのぉ-
本当に出来心だったというか…
偶々月詠ちゃんが、女物の着物を貸してくれたのでつい……」
つい総司の癖に習って、頬ポリポリと掻いてしまう………
「お前ら・・・・・・・」
「「すみません……」」
素直に謝る総司と瑠衣、この方が賢明だと思ったのだが……
睨む土方が大きく息を吸い込む・・・
『…このっ!!
いい加減にしやがれってんだっ---っっ!!』
屯所中に、土方の雷とい大声が響き渡ったのは言う間でも無い・・・・・・・
その後、一刻程土方からお説教を永遠と食らって、やっと解放され自室に戻って来た二人……
「はぁ…
私まだ耳がキーンとしてます………」
畳に四つん這いの状態でへたる総司………
「自分もですよ…
何も彼処まで大声を出さなくても…」
瑠衣も限界とばかりに、壁に寄し掛かっている………
「兎に角、流石にもう女子姿は勘弁です・・・」
もう、溜め息混じりに愚痴を零す…
あの土方の説教を聞くくらいならば、何時もの姿の方がまだマシだ……
「土方さんの説教長いですからね………」
精魂尽き果て、へたって動けない総司…
瑠衣の女子姿も名残惜しいが、土方の説教は勘弁である・・・
「総司、流石に今日の稽古は無しで……」
「えぇ、私も暫く動けそうにないです………」