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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第23章 "師"



(なる程‥そう来るか‥)


賺さず間合いを取り、もう一度平青眼に構え直す二人・・・


「・・・・・・」

「・・・・・・」

お互い、次に何が来るか読めたようだ、ただし‥かわし切れるか…
瑠衣の足音が一つ鳴る…


  "タンッ!!"


総司よりも軽い音で、瑠衣は近藤に三段突きを放った!!


『ヒュ‥バシッ‥ドスッ!!』


二段目まではかわしたが、三段目‥まさか胸にもう一度突きが来るとは思わず、近藤の胸に瑠衣の突きが入る!!

瑠衣の突きの威力、その勢いに、近藤は軽くぶっ飛ばされた!!


 『ドタンッ!!』


「近藤さんっ!!」

この後の事を考えると‥土方が慌てて止めに入ろうとするが……


「局長大丈夫ですかっ!!」

瑠衣も慌てて近藤の元へ走る!


「「?????」」


つい、近藤と土方は瑠衣を見てしまう…

いや…

完全に総司と勘違いをしてしまったらしい…
総司ならばあれで止まらなく、次のトドメの一撃が来ただろう。

だが、瑠衣は冷静に飛ばされた近藤を心配している…
此処が、総司と瑠衣の差だ‥。


「いたた…
大丈夫だよ橘くん」

「良かったです、驚きました」

倒れていた近藤は大した衝撃は無かったようだ、立ち上がり心配そうにしている瑠衣を見る。


「私では橘くんに適わないようだね、多分総司でも互角かもしかしたら…
それに、私から教える事は無いよ、しっかり理心流が身に付いている、理心流だけで言うのならば歳より余程上だ」

「有難うございます!」

「何っ!?
って事は、橘は俺より上かよっ!!」

土方は、これは参ったとばかりに頭を掻く…

「うん、目録以上‥免許皆伝を出しても良いくらいの腕前だ
なにせ、私でも習得出来なかった三段突きを、完全に自分のものにしているのだからね」

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