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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第23章 "師"
「?????」
急な事に、総司は何の事だか意味がさっぱり分からない??
「さぁ、行きますよ…」
「へっ!?
はいっー!?」
腕を引っ張り、強制的に総司を廊下に連れ出した…
瑠衣が本気で力を込めれば、総司ですら太刀打ち出来ない程の剛腕だったりする。
「ちょっ…
何処へ行くのですかぁ!?」
「勿論副長の部屋です、沖田先生が目を覚ましたら連れて来いと命を受けていますので…」
有無を言わさず、総司を引き連れ土方の部屋に向かう・・・
「副長、橘です…」
「おぅ、入れ」
瑠衣は総司を連れて土方の部屋に入ると、ここぞとばかりに腕を組んで睨んでいる土方が………
「橘、ご苦労だったな」
「いえ、沖田先生は此処に置いて行きます…
では、自分はこれで……」
「あぁ…」
涙目の総司を置いて、一人土方の部屋を出る…
そして瑠衣が自室を目指して廊下を歩いていると…
『このっ!!
馬鹿野郎がぁーーっっ!!』
恒例の耳を塞ぎたくなる鬼の雷の声が、屯所中に響き渡った・・・・・
(…今日は自業自得だ…)
幾ら総司と恋人同士といえど、こういう面は容赦する気は全く無い。
自分をダシにして、暴走する総司の方が悪い…
もう暫く土方の説教を聞く羽目になるだろうが、其処は無視を決め込む事にする。
「意外と甘ぁ無いんやな…」
壁に寄り掛かり、山崎が廊下の少し向こうで佇んでいる…
「山崎さん、この間は有難う御座いました…
それと、自分は甘やかすつもりはありませんよ??」
どいやら先程のやり取りを、見ていたか聞いていたらしい、瑠衣は山崎の近くまで歩き、山崎に向かってニヤリと笑う。
「おー怖っ…
この間の話の女子はやっぱりそか…」
「えぇ、まぁ…
山崎さんにはご迷惑掛けました」
「まっ、それはええんやけどな、余り目立たん様にせいや」
そう言たと思うと、スッと飛んで天井裏に消えた。
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